東京・上野の東京都美術館で開催中のコートールド美術館展は、えりすぐられた作品の質の高さに加え、展示の工夫にも注目だ。

 コートールド美術館は、ロンドン大学付属の研究所でもある。世界有数の美術史と保存科学研究の場だ。その成果などを生かし、「名画を読み解く」を展覧会のテーマに設定。章ごとに「画家の言葉」「時代背景」「素材・技法」の三つの要素に光を当てた。

 会場で目に留まるのは大型ボードでの解説。主要作品の細部に、枠や線を使って説明や参考図像を添えている。

 「全体の印象も大事ですが、細部も面白いので注目してほしい」と、担当学芸員の大橋菜都子さん。「主役の作品を邪魔しないよう、すぐ隣には置かず、できるだけ作品の後に解説という順番になるよう、動線を工夫しています」

 「名画を読み解く」工夫は図録にも凝らされる。代表的作品には透明シートがつき、図版ページに重ねると、細部の説明が現れる仕掛けだ。マネの傑作「フォリー=ベルジェールのバー」を掘り下げた長文解説も収録され、名画の背景をじっくり堪能できる。

 12月15日まで、一般1600円など。図録は2500円。

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