日本が世界に誇る絵巻物、国宝「鳥獣戯画(ちょうじゅうぎが)」(平安~鎌倉時代)。朝日新聞文化財団が助成した修復の後、2014年から京都、東京、福岡、大阪で公開され、多くの来場者を集めた。今年夏、スポーツの祭典に沸く東京でこの名作が一挙に展示される。約800年前の動物や人物たちも、走り、跳び、泳ぎ、投げ、楽しそうに力を競う。

 墨一色の描線は見る者を飽きさせない。一方で、作者や制作年代については様々な議論がある。展覧会は、鳥獣戯画全4巻に加え、絵巻から切り離されて伝来した断簡や模本を国内外から一堂に集め、尽きない魅力と謎に迫ってゆく。

 鳥獣戯画が伝わる京都・高山寺(こうさんじ)は鎌倉時代、高僧の明恵上人(みょうえしょうにん)によって発展した。その姿を写実的に表した重要文化財「明恵上人坐像(ざぞう)」は寺内で秘仏とされてきたが、ゆかりの品とともに出陳が決まった。18年の台風で甚大な被害があった寺は、いまも復旧工事が続く。全国から寄せられた支援に応えたいとの心が込められている。

 ◇7月14日~8月30日、東京国立博物館

特集