1949(昭和24)年1月26日、奈良・斑鳩(いかるが)の法隆寺金堂は炎に包まれた。金堂内部に描かれ、東洋仏教絵画の白眉(はくび)と言われた飛鳥時代の壁画群は大きな損傷を受けた。

 火災を機に翌年、文化財保護法が制定されて70年。展覧会では、焼損前の明治・大正時代、画家の桜井香雲(こううん)や鈴木空如(くうにょ)らが心血を注いで描いた壁画の模写や、焼損後に前田青邨(せいそん)らが再現し現在も金堂を飾る壁画などで、壁画のかつての荘厳な姿に迫る。さらに、飛鳥時代の仏像の代表作である国宝の百済(くだら)観音(観音菩薩〈ぼさつ〉立像)などゆかりの仏像を通じて金堂の美の世界を表し、文化財を継承する大切さを伝える。

 境内に百済観音堂が完成して以後、門外不出だった百済観音は、東京では23年ぶりの公開。2メートルを超す長身、柔和なほほ笑み、しなやかな手の表情は見る人に安らぎを与えてきた。金堂本尊の左右に立つ国宝・毘沙門天立像(平安時代)と国宝・吉祥天(きちじょうてん)立像(同)とともに展示される。

 ◇3月13日~5月10日、東京国立博物館

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