収穫期を迎えたダイコンが、全国から続々と集められている。といっても、作るのは漬物でもおでんでもなく、精巧な模型。東京・上野の国立科学博物館で始まる特別展「和食――日本の自然、人々の知恵」で展示するため、岐阜県郡上市の食品サンプル制作会社で型取りや彩色の作業が進んでいる。

 同展では、日本の豊かな自然が育む食材を、250点以上の標本や模型などで紹介する。中でもダイコンは古代から日本人の食を支えてきた野菜で、世界でも類を見ない形や大きさの多様性を誇る。

 現在は流通のほとんどをいわゆる「青首大根」が占めるが、佐々木寿・東北大学非常勤講師によると、全国で800種以上のダイコンが存在する。江戸時代にはすでに品種育成が盛んに行われ、江原絢子(あやこ)・東京家政学院大学名誉教授の調査では、1730年代で150種以上のダイコンの名称が確認された。大名から庶民まで身分を問わず重宝されていたという。

 展示では、根の長さが120センチにおよぶ守口大根(岐阜・愛知)、全国でも珍しい葉のみを食べる小瀬菜(こぜな)大根(宮城)、春に収穫される亀戸大根(東京)など、特色ある25種を集め、各地の食文化や歴史風土などとともに解説する。

 

 ■会期=3月14日~6月14日。展覧会公式サイト=https://washoku2020.jp/別ウインドウで開きます

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