江戸期以前の古美術と、活躍中の現代作家の作品を組み合わせて見せる「古典×現代2020――時空を超える日本のアート」。東京・六本木の国立新美術館で開かれる本展では、伊藤若冲(じゃくちゅう)らによる花鳥画も展示される。名品と向き合うのは、独特な光の効果のもと動植物を撮る写真家・川内倫子さん。200年以上の時を隔て、両者に共通する美意識がうかがえる。

 花鳥画は、中国を源流とする東洋の伝統的な画題のひとつで、江戸時代に特に隆盛を誇った。展覧会では、写実的な描写、鮮やかな色彩で知られる若冲や司馬江漢(こうかん)らの作品を紹介する。これらの作品と川内さんの写真に通じるのは、生まれてははかなく消える虫や動物などの命や、咲き誇っては枯れる花といった、うつろいゆくものへの愛着を表現した点だ。

 事実川内さんは、「自然物が持つ淡さや、『きれい』だけではない生々しさを持つ被写体にひかれる」と話す。偶然性による撮影を重んじる写真家の作品は、図らずも自然に潜むこの世ならざるものの存在すら暗示する。

 命の輝きと衰微の宿命――。日本画と写真と、ジャンルは違えど、自然の摂理と向き合うまなざしの共通性を読み取れるはずだ。

 ■会期=3月11日~6月1日。若冲の「雪梅雄鶏図」の展示期間は4月8~20日。展覧会サイト=https://kotengendai.exhibit.jp別ウインドウで開きます

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