「古典×現代2020」は、絵画や仏像、陶芸など古美術の名品と、活躍中の8人の現代作家の作品をペアにして展示し、日本のアートの水脈を見つめ直す企画展だ。近現代美術の展覧会を開催してきた国立新美術館にとって、古美術を扱う初の本格的な展示となる。

 会場は、一組ずつ八つの部屋で構成する。古美術と現代作家の作品との関係性は、技法や着眼点が似ている作品同士や、オマージュ、パロディーなど様々だ。その中で、江戸時代以前の刀剣とペアになる美術家・鴻池朋子さんは、展示空間全体を作品化するインスタレーションで、美術品としての刀剣のありようを覆そうと試みる。

 芸術の始まりに立ちかえり、人間が物をつくることを作品を通じて問い直してきた鴻池さんは、幅24メートル、高さ6メートルの「皮緞帳(どんちょう)」を出品する。縫い合わせた牛皮に、地底で眠る昆虫や動物、深海の魚、巨大な臓器などの生命体や、竜巻や吹雪といった天変地異をクレヨンや水彩で描いている。

 動物の皮や神話的なイメージの中に展示されることで、そもそもは相手を斬る道具である刀剣の根源的な力があらわになる。「日本刀が持っている美しいイリュージョンを取り去り、道具として対峙(たいじ)できるような空間に戻したいと思ったんです」

 皮緞帳の展示に加え、会場には巨大な振り子を用意。観客に「空間が切られる」感覚を味わってもらい、展示ケースの中で静まり返る日本刀のエネルギーをよみがえらせることも企図している。驚くべき全貌(ぜんぼう)は、ぜひ会場で。

 ■古典×現代2020、3月11日から

◇3月11日[水]~6月1日[月]、東京・六本木の国立新美術館企画展示室2E。火曜、5月7日[木]休館(ただし5月5日は開館)。

◇一般1700円(前売り1500円)、大学生1100円(同900円)、高校生700円(同500円)。中学生以下無料

◇展覧会サイト https://kotengendai.exhibit.jp別ウインドウで開きます

主催 国立新美術館、國華社、朝日新聞社、文化庁、日本芸術文化振興会

協賛 大日本印刷、UACJ

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