「冬木小袖」の名で知られる尾形光琳筆、重要文化財「小袖 白綾地秋草(しろあやじあきくさ)模様」。上半身に藍色と墨の濃淡で桔梗(ききょう)の花が描かれ、腰から下にはすすき野に交じって菊や萩(はぎ)が咲き乱れる。当時流行した幅20センチほどの広めの帯を結ぶと、腰を境に模様が変わる。

 生家が雁金(かりがね)屋という呉服商だった光琳は、着用した姿も想定して描いたのだろうか。絵師として職を得ようと江戸に行った際、世話になった材木商・冬木家の奥方のために描いたといわれる。

 光琳直筆の小袖で完全な形で残っているのは、この1点だけだ。

 同時代の重要文化財「振袖 白縮緬地衝立梅樹鷹(しろちりめんじついたてばいじゅたか)模様」は、振り袖ではあるが、若い男性向けに作られたと考えられる。衝立に止まる鷹を、絵画のように繊細かつ色鮮やかに表現している。よく見ると、衝立に描かれた梅の木は下から上へと幹がつながっている。

 特別展「きもの KIMONO」では、鎌倉時代から現代まで、絵画を含む200件以上を集め、時代を彩ったきものの歴史をたどる。

 本展の開催にあわせ、両作品の精巧な複製きものが国立文化財機構文化財活用センターによって制作された。会期中、これを着用して写真撮影ができる「きもの体験」イベントがある(1人いずれか1着)。毎週金曜土曜、ならびに4月29日~5月6日に同館平成館1階のガイダンスルームにて実施する(体験は無料だが、観覧券の半券が必要)。

 ■「きもの KIMONO」4月14日から

◇4月14日[火]~6月7日[日]、東京・上野の東京国立博物館平成館。月曜は休館(ただし5月4日は開館)

◇一般1700円(前売り1500円)、大学生1200円(同1千円)、高校生900円(同700円)。中学生以下無料

◇展覧会公式サイト https://kimonoten2020.exhibit.jp/別ウインドウで開きます

主催 東京国立博物館、朝日新聞社、テレビ朝日、文化庁、日本芸術文化振興会

協賛 タカラレーベン、竹中工務店、凸版印刷、トヨタ自動車

<上野・和の3展セット券> 東京国立博物館の「法隆寺金堂壁画と百済観音」「きもの KIMONO」、国立科学博物館の「和食」の3展の観覧券が1枚ずつセットになって3800円。一般当日券合計額より800円お得です。セブンチケットで3月12日まで販売。

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