さまざまな形のダイコンやキノコ、ブリやカニなどの魚介類。ひときわ目をひく巨大なマグロ――。特別展「和食」は、食材の実物標本やリアルな模型を250点以上集める(写真はイメージ)。国立科学博物館での開催にふさわしく、和食の多様な食材と、それを育んだ日本列島の豊かな自然に着目する。食材はその土地の環境に密接に関わっており、人間はそれをうまく活用してきた。「食を知ることは、人と環境を理解すること」と監修者の一人、篠田謙一副館長は話す。

 卑弥呼から漫画「サザエさん」まで、食卓の再現模型や、歴史資料で和食の変遷にも迫る。

 1582(天正10)年5月、織田信長は安土城で徳川家康をもてなした。接待役は明智光秀。信長に準備の不手際を叱責(しっせき)されたことが、翌月の本能寺の変の一因となった、という説もある。

 江戸時代の文献「続群書類従(ぞくぐんしょるいじゅう)」に記されたこの饗応(きょうおう)膳の献立をもとに、伝承料理研究家の奥村彪生(あやお)さんが再現した料理の模型も出展する。客人が到着してすぐに出される「おちつき膳」で、タイ、タコ、ウナギ、アワビなどなじみの食材に加え、近江特産の「鮒(ふな)のなれずし」も。

 変わったところでは、鶴の肉を使った汁がある。「中世の武家の料理は野鳥が実に多く、18種類の鳥が江戸初期の料理本に出てきます。一番ランクが高いのが鶴、次いで白鳥でした」と奥村さん。

 一見質素に見えるのは、のせる膳に白木を用いているためで、客人のためにわざわざあつらえ使い切りにする心意を示すという。ひとそろいの膳に戦国武将が生きた時代の環境と、もてなしのあり方が浮かび上がってくる。

 ■「和食」3月14日から

◇3月14日[土]~6月14日[日]、東京・上野の国立科学博物館。月曜、5月7日[木]、19日[火]は休館(ただし3月30日、4月27日、5月4日、18日、6月8日は開館)

◇一般・大学生1700円(前売り1500円)、小・中・高校生600円(同500円)。未就学児は無料

◇展覧会公式サイト https://washoku2020.jp別ウインドウで開きます

主催 国立科学博物館、朝日新聞社、NHK、NHKプロモーション、文化庁、日本芸術文化振興会

後援 観光庁、農林水産省、内閣府知的財産戦略推進事務局、和食文化学会、和食文化国民会議

協賛 キッコーマン、JR東日本、大和証券、凸版印刷、日本コカ・コーラ、三井物産

特別協力 JAグループ、JF全漁連

制作協力 IMAGICA GROUP、P.I.C.S.

協力 クックパッド

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