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社会に激変が起こった国ではよい映画が撮られるといわれる。<東西再統一>という大転換を経験したドイツにも世界中から芸術家が流れこみ、刺激的な状況が生まれているのは当然のことだ。各地の映画大学も志願者が急増して競争が激化し、それが映画界全体の底上げに繋がっている。いまドイツ映画界は国際的映画祭での受賞が相次ぎ、めざましい活況を呈している。

それを支えるのは30歳から45歳までの若い層だ。愛を渇望して傷つけ合う人々の姿を描くレーラー、繊細なタッチで小市民のドラマを描くシュミット、ユニークな視点から<旧東独>の問題を追うドレーゼン、恐るべき静寂のうちに衝撃的な物語を提示するペツォルト、<辺境>をめぐって鋭い問題提起をするクリーア、在独トルコ社会を題材に鋭いアプローチを見せるアキン、<記録映画>の枠を越えた作品を模索するファイエルといったように、代表的な監督たちのスタイルはまさに多種多様である。テーマという点では、異文化衝突・外国人との軋轢を描くもの、<壁崩壊>以前の東西ドイツをなつかしむ映画、若者の希望と不安定な気分とを描く作品などが目立ち、物語の舞台としては、現在も大変貌を遂げつつあるベルリンと東の地区が好まれる。もちろん他方では、ナチ時代の過去に光を当てることも忘れられておらず、新資料の発掘による<真実への接近>がいくつもの豊かな成果を生み出している。ロマン主義の伝統を受け継ぐ詩情性、説明的な描写を避ける静観的なスタンス、知的なユーモア感覚、対象と深く切り結ぶ強度など、ハリウッド映画にはないドイツ映画の魅力が爽やかな風のようにあなたを不意撃ちすることだろう。

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