
「私の折々のことばコンテスト2021」結果発表
「私の折々のことばコンテスト2021」に多くのご応募をいただき、ありがとうございました。
国内外から寄せられた2万9664作品について2021年11月末、「折々のことば」筆者の鷲田清一さんを審査委員長として最終審査を行い、最優秀賞2作品、受賞10作品が決定いたしました。入選した佳作20作品と、審査員の講評を合わせてご紹介いたします。
※下線太字部分をクリックすると受賞作の全文が読めます ※学年は2022年1月現在
Z会賞
栄光ゼミナール賞
佳作
【中学部門】
【高校部門】
審査講評
審査委員長 鷲田 清一

ことばを選ぶときには、それへの距離感が大事です。すぐ自分にぴたっとくることばより、あれっ何を言っているのだろう、よく分からないけれどなんか気になる、そんなことばを選ぶのがこつかもしれません。
なぜかと言うと、ことばは自分の世界を広げるためにあるからです。ことばの力は、自分がまだ見たことのない世界に繋いでくれるところにある。今の自分と直接関わりのないいろいろな人のことばがもっとあってもいいと思います。
一方、身近な人のことばで、つい聞き逃しそうなありふれたことばだけれど、人の背中や肩をそっと撫でるような、思いやりのある温かいことばを引いている作品もたくさんありました。
遠いところから聞こえる謎めいたことばと、すごく近い場所からじかに肌に触れてくることば。そんな両極端のことばにとても惹かれました。ことばには私たちの中にある動き(ムーブ)を引き起こす力があると、あらためて感じました。
株式会社Z会 中高事業本部 執行役員 事業本部長補佐 宮原 渉
「私の折々のことばコンテスト」選考に際しては、全国の中高生に対して、「同じ中高生がこんなことばと出会って、こんな気付きを得たんだ。こんな体験をしたんだ」ということをメッセージとして共有したいという想いを大事にしております。
今回、Z会賞に選ばせていただいた作品は、「無理しろよ」「選んだ道を正解にする」でした。先の見えない未来において、世の中を動かしていくことを求められる中高生には、思うような進路でなかったとしても、迷わずに新しい世界にチャレンジしてほしい。少々不安があったとしても、多少無理してでも頑張ってチャレンジしてほしい。そんな想いから選ばせていただきました。
来年も、全国の中高生にとって、人生の岐路で行動の指針となるようなことばと出会えることを楽しみにしております。
株式会社 栄光 指導統括室 教務支援本部 特区事業本部 本部長代理 古橋 雅治
今年も身近な方のことばを中学生・高校生なりに素直に受け止めながらも、例年よりも飾らないことばで書かれていたような作品が多かったと思いました。今年も大変楽しく読ませていただきました。
身近な人のことば、日常の中のことばで、これだけ感じ、考え、自然と肩肘張らず表現できる中学生・高校生の皆さんにはもっと本や活字の世界に飛び込んでほしいと思います。皆さんが、活字の世界に飛び込んだら、もっともっと成長できるというか、もっともっと世界が広がっていくような気がします。ぜひ、多くの本を手に取ってみてください。
朝日学生新聞社 朝日中高生新聞 編集長 富貴 大輔
審査して改めて感じたのは、ことばにはとても力があるということです。今回受賞された方々は、それぞれのことばとの出会い方は本であったり、友達や先生であったり、家庭であったり、色々あるのですが、そのことばにハッとして、これいいなとか、どういう意味なのだろうとか、気づく力が素晴らしかったです。
このコンテストを通じて、多くの中学生・高校生が、自分を変えてくれるようなことばに出会うヒントになればと思います。どんどん良いことばに出会うような体験や生活をしていただきたいです。
朝日新聞社 企画事業本部長 花畑 和宏
やはりコロナ禍のせいか、身近な方のことばが多かったように思います。中学、高校ともに力作ぞろいでしたが、そのなかでも、ことば自体の面白さや自分のことばで気持ちや情景を描いているところを意識して読ませていただきました。
毎日の生活にコロナの制約がありながらも、中学生、高校生の皆さんは思い思いに自分の世界を広げているはずです。そんな皆さんが、自分の生き方や将来の夢を後押ししてくれる、あるいは未来につながるようなことばに出会うきっかけのひとつに、このコンテストがなることを心から願っています。
お問い合わせ
「私の折々のことばコンテスト」事務局
TEL 03-6715-1958(土・日・祝日を除く午前10時~午後5時)
FAX 050-3737-6764