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2011年08月03日

【朝日新聞記事から】ティラノ、脳の遺産 脳囲む骨、日本初公開

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ティラノサウルス(左)の巨大な頭骨

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脳函に見入る来場者=いずれも東京・上野の国立科学博物館、遠藤真梨撮影

巨大な体の中でも頭の大きさがとりわけ目立つティラノサウルス。頭骨は筋肉がつくと500キロほどにもなる。「恐竜博2011」では20世紀初頭に発見されたティラノサウルスの脳函(のうかん)の実物標本を日本初公開している。この標本の脳の大きさは人間の脳の半分以下ほどの容量だったようだ。

脳函は脳を囲んでいた骨のこと。この実物標本は、脳が入っていた空間や脳神経の穴が残っている貴重なものだ。現代では、脳の形態の研究にCTスキャンを使うことができるが、当時は脳函に樹脂を流して型をとったり、頭骨を1ミリほどの薄さに切って断面から脳を復元していた。

この化石、改めて歴史的産物として観察しても面白い。発見したのはティラノサウルスを初めて発掘した化石ハンター、バーナム・ブラウンだ。発表はティラノサウルスが命名された7年後の1912年、アメリカ自然史博物館に在籍し「アメリカ古脊椎(せきつい)動物学の父」と呼ばれるほど、学界や博物館コレクションの充実に貢献したヘンリー・F・オズボーンによる。他の部位とともに、解剖学的な研究論文の中で紹介された。

オズボーンとブラウンの活躍で、アメリカ自然史博物館は世界最大の恐竜コレクションを誇るようになっていたという。多くの貴重な標本を世に送り出した2人の功績による文化遺産ともいえる。国立科学博物館で10月2日まで。

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