世界報道写真展とは

「世界報道写真展」は1955年にオランダのアムステルダムで世界報道写真財団が発足したことにより、翌年から始まったドキュメンタリー、報道写真の展覧会です。
  毎年、1月~2月にかけて主に前年に撮影された写真を対象にした「世界報道写真コンテスト」が開かれ、十数人からなる国際審査員団によって選ばれた入賞作品が「世界報道写真展」の作品として、世界中約120会場で展示されます。年間を通じて、総計約500万人が会場に足を運ぶ世界最大級の写真展と言えるでしょう。

世界報道写真大賞 一般ニュースの部 単写真1位
まっすぐな声   千葉康由(日本、AFP通信)

スポットニュースの部 組写真1位
エチオピア航空墜落事故の犠牲者を悼む女性
ムルゲタ・アイェネ(エチオピア、AP 通信)
一般ニュースの部 組写真1位
騒乱の香港   ニコラ・アスフーリ(デンマーク、AFP 通信)

63回を迎える今回は、125の国と地域から4282人のフォトグラファーが参加し、73996点の応募がありました。「現代社会の問題」や「環境」、「一般ニュース」、「スポーツ」など8部門において、24カ国44人の受賞が決まっています。この中に、大賞候補作6件と「世界報道写真ストーリー大賞」の候補作3件が発表され、大賞候補を含め2人の日本人がノミネートされました。
  「一般ニュース」の部では、千葉康由氏が、長期独裁政権が退陣に追い込まれた後のスーダンで、デモ参加者が文民統制を求めるなか、携帯電話の光に照らされ、抗議の詩を叫ぶ若者の姿を写しました。「スポットニュース」の部では、ムルゲタ・アイェネ氏が、離陸直後に墜落し157人の死者を出したエチオピア航空機事故の遺族の悲しみを捉えました。そのほか、反政府デモが続く香港で、手をつないで「人間の鎖」をつくる抗議集会に参加した学生たちを写した作品や、高齢化が進む日本の老練なラグビー選手たちを追った作品など、見応え十分な力作が一堂に会します。

年は、AFP通信の千葉康由氏の作品が世界報道写真大賞を受賞しました。千葉氏は2009年と2012年にも入賞しています。また「スポットニュース」の部でEPA通信の黒川大助氏が第2位に選ばれました。
  過去の日本人大賞受賞者は3人で、日本社会党の浅沼稲次郎委員長刺殺の瞬間を捉えた写真で1961年に毎日新聞の長尾靖氏、ベトナムの戦場を撮った写真で65、66年に沢田教一氏が2回、さらに1979年に成田闘争で反対派の一人が火炎びんに包まれる瞬間を写した写真でAP通信の三上貞幸氏が受賞しています。

スポットニュースの部 単写真2位
ナイロビのデュシットD2ホテル襲撃
黒川大助(日本、EPA 通信)

世界報道写真展 2020
一般ニュースの部 単写真1位 まっすぐな声   千葉康由
(日本、AFP通信)
長期取材の部1位 「同胞として」―蜂起の起源   ロマン・ローランドー
(フランス)
単写真2位 ナイロビのデュシットD2ホテル襲撃   黒川大助
(日本、EPA 通信)
単写真1位 目覚め   トメク・カチョル
(ポーランド、ガゼタ・ヴィボルチャ紙ドゥジィ・フォルマトに提供)
組写真3位 見舞いを受けるクルド人負傷兵   イヴォール・プリケット
(アイルランド、ニューヨーク・タイムズに提供)
組写真1位 オランウータンを救う   アラン・シュローダー
(ベルギー、ナショナルジオグラフィック誌に提供)
組写真3位 日本のベテラン・ラグビー選手   キム・ギョンフン
(韓国、ロイター通信)
2位 コーランの守護者   サビハ・シメン
(トルコ)
単写真2位 マーシュ火災との闘い   ノア・バーガー
(米国、AP 通信に提供)
単写真1位 悪気はない―戦争の裏側   ニキータ・テリョーシン
(ロシア)