現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. コラム
  5. Fashion×Passion 吉川康雄
  6. 記事
2012年2月29日11時24分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

「Fashion×Passhion 吉川康雄」

ヴォーグ御一行のモルディブ春夏トレンドツアー

吉川康雄

写真:鮮やかな色彩のファッションとターコイズの海拡大鮮やかな色彩のファッションとターコイズの海

写真:ウォータープルーフの艶肌で超フレッシュルックのマリヤちゃんは水に入ってもオーケー。そして艶肌は光の中で自然にハイライトを作ります。化粧で不自然にハイライト入れないでね拡大ウォータープルーフの艶肌で超フレッシュルックのマリヤちゃんは水に入ってもオーケー。そして艶肌は光の中で自然にハイライトを作ります。化粧で不自然にハイライト入れないでね

写真:メイクに使うワンポイントの色たちと艶肌ファンデーション。そして、姫に日焼け止めは必須です拡大メイクに使うワンポイントの色たちと艶肌ファンデーション。そして、姫に日焼け止めは必須です

写真:モルディブのまぶしい太陽の下、紫外線対策もばっちりの「つやつやのヴォーグ肌」拡大モルディブのまぶしい太陽の下、紫外線対策もばっちりの「つやつやのヴォーグ肌」

写真:夏のトレンド:艶肌ナチュラルメイクにワンポイントアイメイクもさらりと仕上げる。拡大夏のトレンド:艶肌ナチュラルメイクにワンポイントアイメイクもさらりと仕上げる。

写真:「エル・パリス」12年2月号より。春のトレンド:艶肌ナチュラルメイクにワンポイントの眉メイク。知性的な魅力とセクシーな魅力が合わさってモダンな美しさが引き出されます拡大「エル・パリス」12年2月号より。春のトレンド:艶肌ナチュラルメイクにワンポイントの眉メイク。知性的な魅力とセクシーな魅力が合わさってモダンな美しさが引き出されます

写真:「マリークレール・ロシア」12年1月号より。冬のトレンド:艶肌ナチュラルメイクにワンポイントのリップカラーは印象的ですがサラッとした仕上がりです。似合うように色の濃さを調節しましょう (以上、スナップショットは本人撮影、他はすべて本人の作品集から)拡大「マリークレール・ロシア」12年1月号より。冬のトレンド:艶肌ナチュラルメイクにワンポイントのリップカラーは印象的ですがサラッとした仕上がりです。似合うように色の濃さを調節しましょう (以上、スナップショットは本人撮影、他はすべて本人の作品集から)

 僕たちファッション業界人は季節労働者。普通、デザイナーたちが新作を発表するコレクションまでに前シーズンの撮影をすべて終わらせて、コレクションで新作発表が終わったらまた新シーズンが始まるのです。だからコレクション中は、ショーをやるかしばしのお休みをとるかのどちらか。この数年の僕のルーティーンはこの期間、二毛作のように東京で化粧品作りに励むことでした。

 そこになぜか季節外れのヴォーグ撮影旅行のオファーが舞い込んできちゃったのです。場所はモルディブ、常夏の島10日間の旅。NYの長くて寒い冬の最中、これはサウンズグッド! スケジュールに無理やり押し込んで、行って参りました。

 12年の春号と夏号のファッション、ビューティー、それとカバー撮影です。60以上のページを作るノルマがあるので残念ながらゆっくりは出来ません。モデルがパリから到着したらすぐに撮影は始まりました。イメージは鮮やかでカラフルなファッションと背景にあわせ、ワンポイントに鮮やかカラーを使ったミニマムメイク。そして肌はナチュラルでフレッシュに仕上げる予定。そんな中、モデルのリクエストはただ一つ。「パリに帰ると秋冬の仕事があるので日に焼けないようにしてね」だって。「かしこまりました、お姫様!」どこまでもプロ、しっかりしてます。まだ21歳なのに……。

 まぶしい太陽、青い空、ターコイズの海――遊ぶには最高のモルディブだけど、日本の真夏のような暑さと湿気の中でお化粧するのはかなり大変。

 早速ビーチでメイクを始めると人が少し集まってきました。その中には「カワイイ・ファッション」に身を包んだ白い肌に粉っぽいメイクの日本人のカップルも……。そう、ここは日本の新婚さんたちのハネムーンメッカですから。そして日本人の美白好きは、すでに世界的にも有名。彼女の美白も際立っていましたよ。それにしても「この気候で少し粉、多過ぎでしょ、せっかくの美肌がもったいない―」なんて思いつつ、まずは僕の姫をナチュラルでフレッシュ、美しい素肌のように見せる「艶肌」につくり始めます。

 艶肌の場合、コツは粉をつけすぎないこと。これは春夏秋冬いつも同じ。粉のつけ過ぎは皮脂を吸い取って乾燥させ、肌の張りがなくなって見えるのです。今日のヴォーグ肌は超フレッシュを目指すのでパウダーなし、出てくる汗はスポンジで抑えます。ファンデーションは油分100%、水をはじくウォータープルーフ効果プラスほどよい艶感で、最も崩れにくく、崩れても簡単に直せるファンデーションです。日焼け止め下地をしっかり塗った後、デコルテと同じ色のファンデーションを塗ると、汗にも強い春夏紫外線対策の完璧艶肌の出来上がり! ちなみに日焼け止め効果は、SPFが高くても一日中保ちません。美白にこだわる姫のため、時々僕は日焼け止めをファンデーションの上からスポンジでパディングしていきます。

 体も紫外線対策、忘れないでね。だけど一般的に日焼け止めは白くてマットな仕上がりが多い。つければつけるほど、かっこよくないんです。そんなお困りのおしゃれな皆さん、僕のヴォーグ肌、目指して下さい。

 作り方は簡単。好みのSPFの日焼け止めたっぷりに、顔に使ったファンデーションを少し混ぜます。服を汚さない程度に少しだけファンデーションを混ぜることで肌を奇麗に見せ、白くなるのを防ぐんです。艶が足りない場合はオイルでシャインアップです。

 最後は仕上げのポイントメイクです。世界中のトレンドのポイントメイクの基本はここのところずっと同じ。今年の僕の冬、春、夏のメイクの流れを見て下さい。あれもやったりこれもやったり……じゃなく、コテコテにしないというのが基本なんです。ファッションは華やかな傾向ですが、意識せず、まずは一番自分が奇麗に見えるうっすらナチュラルメイクをしてみましょう。そこにワンポイント冒険出来れば完成なんです。冒険するのはリップでもアイメイクでも?紅でも眉でも自分のナチュラルメイクの良さを壊さずに挑戦出来るところでいいでしょう。メイクに関しては、一生懸命やってない感じ、サラッとさりげない感じに見える仕上がりがいいのです。

 どうですか? これから迎える春夏メイクの攻略法とおしゃれの気分、伝わったでしょうか。トレンドに振り回されるのはもうトレンドではないんです。さりげなく自分らしく仕上げてくださいね。

プロフィール

写真

吉川康雄(よしかわ・やすお)

メークアップアーティスト

1959年、新潟県生まれ。1983年から活動を開始し、ファッション誌や広告制作で活躍後、1995年に渡米。各国のVOGUEなどの表紙をはじめ、著名ブランドの広告、コレクション、セレブリティのポートレイト用メークなど、幅広く活躍中。ヒラリー・クリントン国務長官や、カトリーヌ・ドヌーブらセレブリティも多く手がけている。
2008年3月からはカネボウのプレステージブランド「CHICCA」のブランドクリエイターを務め、毎シーズン、日本の大人の女性に向けたメークを提案している。
世界を飛び回る毎日だが、休日はNYの自宅で妻と娘と過ごす。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内 事業・サービス紹介