現在位置:
  1. 朝日新聞デジタル
  2. ライフ
  3. ファッション&スタイル
  4. 話題
  5. 記事
2012年11月12日11時2分
このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

高級ブランド、日本市場で勢い 質で選ぶ男たち

写真:パリで6月、パレ・ロワイヤルの中庭を借り切って披露されたベルルッティのコレクション拡大パリで6月、パレ・ロワイヤルの中庭を借り切って披露されたベルルッティのコレクション

写真:映画「007 スカイフォール」から。主人公が着るスーツがトム・フォードのものだ拡大映画「007 スカイフォール」から。主人公が着るスーツがトム・フォードのものだ

写真:サルヴァトーレ・フェラガモ拡大サルヴァトーレ・フェラガモ

 成熟した日本市場で、男たちは高くても「いい物」に向かうのか。数十万円のスーツを売るようなメンズラグジュアリーブランドの競争が激化している。富裕層だけでなく、数万円の財布など手の届く商品は、幅広い層からも人気を集める。

 ルイ・ヴィトン、グッチ、エルメス、アルマーニ……。群雄が割拠するメンズラグジュアリー市場で、注目を集めるのがフランスのベルルッティだ。20万円前後の最高級紳士靴を作ってきたが、今季から「頭の先からつま先まで」の“トータルブランド”に衣替えした。

 主力となるジャケットは普段は見えない襟の裏側やボタンの穴にまで革をあしらい、一着30万円前後から。ビーバーの毛を使ったコートは230万円だ。9月、阪急メンズ大阪の1階入り口すぐの“特等席”に店を増床オープンさせ、前年同月比で倍以上となる数千万円を売り上げた。

 指揮を執るのは世界最大のファッションコングロマリット「LVMH(モエヘネシー・ルイヴィトン)」の会長の息子、アントワン・アルノーCEO(最高経営責任者)。来日し、「従来のラグジュアリーブランドのスタイルは退屈で、デザイナーズブランドには品質が伴わない。ベルルッティはスタイルと品質を兼ね備えた最高のメンズブランドになる」と野望を語った。

 一方、迎え撃つ側も話題には事欠かない。12月公開の映画「007 スカイフォール」の劇中で主人公のジェームズ・ボンドが着用するのは、トム・フォードのスーツ。日本でも公開に先駆けて店舗で売り出したところ、30万円台後半からという価格にもかかわらず売り切れ、一時は30人以上が再入荷を待ったという。

 1994年からグッチのクリエーティブ・ディレクターとしてブランドを再生させ、“伝説”となったトム・フォードが7年前に自らの名で立ち上げた。トレンドは追わず、英国の仕立屋への敬意を基礎にセンスを加え、上質を求める男性を引き込む。

 日本におけるメンズラグジュアリーの先駆けといえば、サルヴァトーレ・フェラガモ。71年にシルクネクタイ作りを本格化し、大ヒットさせた。05年の春夏コレクションからはマッシミリアーノ・ジョルネッティがデザインを統括。伝統を重んじたデザインで幅広い支持を受け、世界全体で売り上げを倍増させたという。(中島耕太郎)

■世界2位の富裕層大国

 ラグジュアリー市場を引っ張るのは、所得の集中で生まれた富裕層だ。

 調査会社キャップジェミニの報告によると、日本で100万ドル(約8千万円)以上の金融資産を保有する人は昨年、182万人で過去最多。6年前に比べ約40万人増え、米国(307万人)に次ぐ世界2位の富裕層大国という。

 08年に開店した阪急メンズ大阪の売り上げは、経済が沈滞する中でも数%の伸び。阪急全体に占めるラグジュアリー部門の売り上げは女性も含めて3割強だったが、4割にまで増えた。

 武田肇・担当役員は「ブランド品はかつて『記号性』で売れていたが、最近は品質で選ばれている。特に男性はいい物を長く使いたいと考える人が多くなってきた」と話す。

 富裕層だけでなく、比較的買いやすい名刺入れやネクタイなどは、収入を問わずに人気で、購入層の幅広さも日本の特徴だ。各ブランドとも革小物などの品ぞろえに力を入れ、裾野の広いビジネスを目指している。

検索フォーム


朝日新聞購読のご案内
新聞購読のご案内事業・サービス紹介