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コラム「おいしさ発見」

オムライス〜ご飯いためて懐かしの味〜

2007年06月20日

 「洋食」というジャンルはおもしろいなあと思います。海の向こうの料理を自分たちの食文化に合わせてアレンジする、そのことを平松洋子さんは「料理の翻訳」と書いていました(「ひとりひとりの味」理論社)。まさに、オムライスは卵料理であるオムレツを翻訳した結果でしょう。

写真オムライス 撮影・越田悟全

 オムライスの作り方の中でフレンチにはないのが「ご飯をいためる」という料理法です。そうそう、若いころ、オムライスの中に入れるチキンライスを、ピラフのように炊いてみたことがあります。ところが、タマネギも鶏肉も味がなく、ケチャップの味だけがたったものができてしまいました。ピラフはブイヨンがなければなりたたない。一方、チキンライスは油といためることで、おいしくできるんだと思いました。

 さて、今回は鶏肉とタマネギ、ニンジン、マッシュルームを使いましたが、お好みの野菜を入れてください。すべてを縦横1センチほどの薄切りにし、バターで鶏肉、タマネギ、ニンジン、マッシュルームの順にいため合わせます。塩少々で味付けしたら、いったん取り出し、ご飯だけをしっかりいためます。鍋肌に軽く押しつけるようにすると、早くなじみますよ。そこに先ほどの鶏肉と野菜を戻し、いため合わせたら、ケチャップとしょうゆで味を調えます。

 温めたフライパンに卵液を流し入れ、ほぼ真ん中にチキンライスを盛ります。卵を寄せながら、思い切り良く、ひっくり返して皿にのせます。お好みのソースを添えて下さい。僕はマスタードとソース、ケチャップ、しょうゆを合わせてソースにしました。

(「ル・マンジュ・トゥー」オーナーシェフ)


レシピ

 【材料】(4人前)

 卵8個、ご飯450グラム、タマネギ1個、ニンジン1本、鶏もも肉240グラム、マッシュルーム6個、バター20グラム+適量、ケチャップ70グラム、しょうゆ10cc

 ソース(洋風マスタード10グラム、しょうゆ10cc、トンカツソース40グラム、ケチャップ30グラム)

(1)鶏もも肉と野菜を縦横1センチほどの薄切りにする。鶏もも肉は切る前に皮目のほうを少し焼いておくと切りやすい。

(2)バター20グラムをフライパンに入れ、鶏もも肉をよくいためて、軽く塩をふる。そこへ、タマネギとニンジンを加えてよくいためる。最後にマッシュルームを入れていため合わせ、塩で味つけをして、ボウルなどにとっておく。少々物足りない程度の塩加減でちょうどいい。

(3)フライパンにバター適量を入れて、ご飯を鍋肌に軽く押しつけるようにいため、(2)の具を合わせ、よく混ぜ合わせる。ケチャップを回しかけて合わせたら、しょうゆを回しかけ、再びいため合わせ、別器にとっておく。

(4)きれいなフライパンにバター適量を入れ、卵2個分の卵液を流し入れる。全体が半熟になるぐらいまで火を通したら、卵の中央に細長い山を作るように(3)のチキンライスの4分の1量を盛る。端から丸めていって、ご飯を包むように寄せていく。同じように残りの3人前つくる。

(5)ソースを合わせて、オムライスに添える。



プロフィール

谷 昇(たに・のぼる)
1952年、東京生まれ。18歳から料理の道へ。37歳で2度目の渡仏。アルザス地方の三つ星店「クロコディル」で修業。96年から東京都新宿区の「ル・マンジュ・トゥー」のオーナーシェフに。

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