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個性派アパート三段重ね

2010年9月22日

  • 筆者 ペルー・原田慶子 びっくりハウス

写真:三者三様の扉が並ぶ1階部分三者三様の扉が並ぶ1階部分

写真:本来なら大きな窓があってしかるべきなのだが…。中はどうなっているのだろう?本来なら大きな窓があってしかるべきなのだが…。中はどうなっているのだろう?

写真:真っ黒な3階のお宅。屋根にある手すりと三角形のオブジェも気になる真っ黒な3階のお宅。屋根にある手すりと三角形のオブジェも気になる

写真:個性的な三段重ねのアパート。いつ見ても怪しい個性的な三段重ねのアパート。いつ見ても怪しい

 住宅建設ラッシュが続くリマでのここ最近のはやりは、白を基調にしたシンプルな外観のアパートだ。間接照明や植木をうまく配したおしゃれなつくりで、ベランダや窓が大きくとられているため開放感がある。

 こうしたアパートはすっきりしていて見栄えもよいが、正直どれも同じような外観で個性が感じられない。その点、昔からある住宅はその形や外壁が個性的なものが多いが、それらがなぜかリマの街並みにうまく溶け込んでいるのだ。リマの人々は自分の個性を主張しつつも、周囲との調和もきちんと考えているのだろう。

 しかし調和より個性を重視する人はやはりいるのである。

 リマの閑静な住宅街に建つ、とある3階建ての建物をご紹介しよう。一見して戸建てのように見えるが、実はこれはアパートだ。その証拠にこの建物の1階には玄関ドアが三つあり、それぞれに番地を示すプレートとインターホンがある。三世帯が暮らす3階建てアパートといえば普通かもしれないが、このアパートは違う。各階の個性が強烈すぎて、怪しさが漂う結果となっている。一つ一つを見ていくと、その怪しさの理由がよく分かる。

 三つある玄関ドアのうち、真ん中のそれを所有するお宅が1階の住人だ。家の外壁はタイル張りで、窓には鉄格子がはめ込まれている。治安の問題から窓に鉄格子を設置するのはよくあることだが、窮屈な印象はぬぐえない。また建物に対して1階住人宅の間口が狭く、建物全体に尻すぼみの不安定な印象を与えている。

 2階住人の玄関ドアは、おそらく1階左側のものだろう。2階の壁とこの玄関ドアの周囲が同じ仕上げであることからそう推察する。しかし気になるのは、この家には細長い明かり取りしかないことだ。ペルーは隣家と接する壁に窓を造ることができない分、道路に面した壁に窓を大きく配置するのが一般的。だが2階の住人はそのスペースがあるにもかかわらず窓を設置しなかった。外界との接触を拒むかのような奇妙な造りに違和感を覚えるのは、私だけではないだろう。

 そしてこの建物を奇妙に見せている一番の原因は、3階の家だ。1、2階の外壁が白系でまとまっているのに対し、3階は突然黒一色。薄っぺらなトタンの切り妻屋根と黒い壁は、さながら「魔女の家」をほうふつとさせる。1階右側の黒い玄関ドアから3階へ上がるようだが、ご丁寧に2階にも黒い飾り窓が造られている。内壁も黒色なのだろうか、窓が多いにもかかわらず室内の様子はまったくうかがえず、とにかく怪しい。

 個性的すぎるこの奇妙なアパートの隣には、今はやりの無個性なアパートが建設されている最中である。相反するアパートが並ぶことでかえって調和がとれるのか、さらに怪しさが際立つのか。あと半年もすればおのずと結果がでるだろう。

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