Top
朝日新聞社 www.asahi.com ENGLISH
asahi.com
home  > 国際  > AAN  > 

The Asahi Shimbun Asia Network
 ホーム | 今週のコラム | AAN発 | 年間リポート | アジア人記者の目 | リンク | English
AAN発
AANメンバーによる最新記事です


アジアの環境協働管理を 政策作り市民・企業も参加
市民同士で解決探る(石井徹)
省資源・再利用を日本から (川崎剛)
土地への愛着保つ利用を (佐藤仁)
自然と人間共存の伝統思想生かそう (原洋之介)
為替取引税で貧困対策を(明日香壽川)
政策の共通化、欧州に例 (吉田文彦)
グラフ:アジアの経済成長と環境汚染の予測

●提言●
 日本発で循環型社会を広める
 地元住民の知恵と蓄積を政策に活かす
 国境を超えた市民社会の連携を進める
 貧困と環境悪化の悪循環を断ち切る
 「アジア環境機関」をつくる



 80年代から急成長したアジア諸国は、欧米や日本が数世代かけた工業化を一世代に圧縮したような発展を体験した。

 そのツケがたまり、アジアは地球上で最も環境問題が密集する地域となった。大気や水の汚染、都市の人口爆発、産業廃棄物など、同時多発的に発生している。グローバリゼーションの大競争時代に勝ち残るため、効率的な生産が重視され、環境への配慮がより後回しにされる危険さえある。


●貧困が生む悪循環

 アジアでは、貧困が環境汚染を加速して、それがさらに貧困を悪化させる悪循環もまん延している。市場主義が経済の格差を広げるようでは、持続的な発展は難しい。

 世界人口の半数以上を占めるアジアが、この課題にどう取り組むかは、人類の未来に深くかかわってくる。まず、「大量生産、大量消費で経済成長を促す」という図式の変換が不可欠だろう。資源利用の効率を高め、廃棄物も減らす循環型社会をアジアの発展モデルとし、その実現に向けて日本が先べんをつけたい。


●伝統的生活に学ぶ

 アジアでは伝統的な地域共同体の生活様式に学ぶ点が多い。「政府に任せ切り」という構図から脱して、住民の知恵、村落の経験などを活(い)かす環境政策をめざす必要がある。

 越境酸性雨、海洋環境保全など、一国では対応し切れない課題は多い。公害対策では、ある国の経験を他の国での対策に活かせるケースもある。

 国境を超えた市民社会の連携を強め、アジアの自然と、住民の健康を下からの共同歩調で守る努力も欠かせない。

 「市場の力」に翻弄(ほんろう)されない貧困対策、環境保全制度を築くために、グローバリゼーションの弊害をできるだけ抑える作業も大切だ。中長期的には、アジア地域で環境政策の共通化も視野に入れておきたい。

 アジアには多様な社会が息づいており、画一的な政策では、うまくいかない。政府、企業、市民が立場や意見の違いを超えて協働し、環境問題に立ち向かう。そうした環境協働管理を実現しないと、持続的な発展は望めない。


     ◇

 記者と社外の専門家で構成する朝日新聞アジアネットワーク(AAN)の「環境とエネルギー」研究チームは、そうした問題意識を持って、1年間にわたって研究してきました。成果と提言を報告します。

▼バックナンバーへ

Homeへ | 画面上へ