流動化する人・経済 市場化の波「心」にも
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北京駅前広場、午前11時。東北地方から着いたばかりらしい若者たちが大きな荷物を置いて新聞に読みふける。ここから、どこへ向かうのか=岩崎稔氏撮影 |
中国は動いている。市場経済化の加速とともに経済はより発展し、人々は国内外への移動を速める。社会のありようも様変わりだ。ではダイナミックな動きの行方は? 日本人の暮らしに影響する脅威なのか。それとも発展は見せかけで、やがて崩壊に向かうのか。
日中国交正常化30周年にあたり、新時代の日中交流について提言することをめざす朝日新聞アジアネットワーク(AAN)の「動く中国とつきあう」研究チームは、「つきあう」ことの手始めは、まず現代中国人の心理や行動を具体的に知ることだと考えた。
【「動く中国とつきあう」研究チーム】
主査 永持裕紀(外報部)
研究員 長岡 昇(論説委員)
花野敏彦(総合研究本部)
客員研究員 坪井善明(早稲田大学教授=ベトナム現代政治)
園田茂人(中央大学教授=中国社会学)
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 豊かさ求め大都市・海外に移住 / 成功と貧困明暗くっきり (園田茂人)
 経済発展の核 夢と向上心 / 新たなモデル 日本は提示を (坪井善明)
 中国理解のカギは「人と社会」 / 「人口圧力」が競争心を生む (永持裕紀)
 「もうかる農業」を追求 / 階層分化生む農の効率化 (長岡昇)
 貧富の差容認 農民の都市流入に複雑 / 揺れ動く社会心理 (園田茂人)
 グラフ:データでみる現代中国
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