asahi.com
天気  辞書  地図  サイト案内  アクセスTop30 
サイト内検索:
国際 社 会 スポーツ 経 済 政 治 国 際 サイエンス 文化・芸能 ENGLISH 
  人民日報  ニュース特集  ASIA NETWORK  WORLD WATCH 
 
 
 
  home >国際 >AAN    
The Asahi Shimbun Asia Network
 ホーム | 一線から | コラム | アジア人記者の目 | AAN発 | 書評 | リンク | English
AAN発
アジアに開く日本
中国のねらい

「総合安保」を視野に

王 珊
中国現代国際関係研究所(元AAN客員研究員)

王珊
王 珊

2国間や地域間でのFTA締結などによる地域経済圏の形成は世界の大勢である。中国とASEANとは、昨年秋からFTAの完全実施をめざした動きが具体化しており、同時に中国政府の提言した「中日韓FTA」実現に向けた検討方針が、先日開かれた3カ国首脳会談で確認された。東アジアでの自由貿易圏作りに向けた、中国の動きの狙いはどこにあるか。 

本来は安全保障機構である、中国、ロシア、中央アジア諸国による「上海協力機構」の6カ国首脳もこのほど、地域の経済協力について、加盟国間の通関、検疫の簡素化を提案した。モノの輸送を一層スムーズにするための措置で、6カ国のFTAも長期的な目標として掲げた。経済発展は、地域の貧困の解消、テロの撲滅にも寄与する。 

FTAによって生まれる高度な信頼関係や互いの経済的利害の接近が、経済分野のみならず、安全保障にも有利な状況を生む。経済交流、外交と安全保障とが密接に絡む「総合安保」を重視する考え方が、中国内外の多くの人々の意識にはっきりのぼり始めてきた。

当然のことながら、FTAには痛みも伴う。ことに、市場経済化によって淘汰(とうた)が進んでいる中国の競争力の低い国有企業、多くの中小企業は一層大きな打撃を受けるだろう。こうした要素も十分考慮に入れた上で、中国側はFTAへの積極姿勢を打ち出した。厳しい国際競争に打ち勝ってほしいというメッセージを、国内向けに送ったのだ。

途上国間の協力であるASEANとのFTAでは、産業構造では競合する部分が多いだけに、短期的にはASEAN側に有利だろう。東南アジア製品、農作物の中国の輸入増、中国人観光客の出国増が見込まれる。ただ生産、流通、サービスの各分野で、東南アジア市場での中国企業の存在感がこの先一層大きくなることは確実だ。中国とASEANとがFTAを通じて経済的に一体化する経済統合は、双方にメリットをもたらすだろう。

FTA締結をめぐっての中日間の「主導権争い」が注目されているが、大局的に見て最も注目されるべきは、地理的に隣接する中日韓3カ国が経済面での協力をいかに深めるかである。この3カ国のFTAが国内調整などに手間取るようならば、それぞれがまずASEANと個別にFTAを結んだ後に「ASEANプラス3」のFTAをめざす方法もある。ASEANを東アジアFTA締結の架け橋とするのである。「形式」よりも、少しでも早く前に進める「実質」を求めるべきだ。

日本もまた、東アジアの経済統合への参画なくして新しい成長の波に乗ることはできない。同時に、中日韓FTAは3カ国の提携、協力を間違いなく促進していく。それはまたこの地域の「総合安保」の枠組みとなるだろう。

▼アジアに開く日本 目次へ

| 社会 | スポーツ | 経済 | 政治 | 国際 | サイエンス | 文化・芸能 | ENGLISH |
GoToHome ニュースの詳細は朝日新聞へどうぞ。購読の申し込みはインターネットでもできます。 GoUpToThisPage
asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
| 著作権 | リンク | プライバシー | 広告掲載と注意点 | アサヒ・コムから | 朝日新聞社から | 問い合わせ |
Copyright Asahi Shimbun. All rights reserved. No reproduction or republication without written permission