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AAN発
研究会報告「日中の確執を考える」
強固な基盤外交に生かして
孔 魯明
 韓国元外相

Gong Ro-Myung  駐ロ、駐日大使、外相を歴任。日韓フォーラム韓国側議長。朝日新聞アジアネットワーク会長。73歳。

日本のKさんへ

小泉総理が日本国民に信を問う「国民投票」の形となった今回の9・11総選挙は、4年前に米国で起きた9・11事件のような驚きをアジアの近隣諸国に発信する結果になりました。

日本の政治に本当の地殻変動が起きる予兆が見えた、というのが率直な感じです。この勝利が、今後の日本の政治に大きな影響を及ぼすことは想像に難くありません。自公連立与党の衆議院の議席が3分の2を超えたことは、今後、衆議院の議決が実質的に国会の議決となることを意味するからです。

韓国の日本ウオッチャーは憲法改正の動きに新たな勢いがつくだろうと読んでいます。私もそう思います。憲法改正の動きと共に自衛隊の国軍化と軍備の拡充は必至でしょう。日本は平和国家としての生き方に隣国が信頼を持てるように、十分配慮すべきなのは言うまでもありません。他方、韓国や中国は日本が健全な形で「普通の国」になる動きを理解することが必要になるでしょう。

小泉総理へのこの地すべり的支持が日本の今後の対外政策にどのような影響を与えるかについて、隣国の韓国としては大きな関心がありますが、その展望についてはいろいろと意見が分かれています。

問題になっている総理の靖国神社参拝は引き続き行われるとの見方が大勢を占める一方、これだけ強い国民の委任があるのだから、自民党右派にこれ以上気がねすること無く方向転換を図ることも可能だろうという少数の意見もあります。

国民の多大な信任を得た小泉政権との今後の関係をどう持っていくかという問題は、韓国政府にとっても大きな課題であることは間違いありません。

靖国参拝、独島(竹島)問題、過去の歴史認識に対する見解の相違など懸案はいくつもありますが、とくに靖国問題は小泉総理と直接関連しているだけに非常にデリケートです。靖国神社はA級戦犯14人を祀っているだけでなく、侵略戦争だったことを認めていません。そういう歴史観の靖国神社を総理が今後も参拝し続けた場合、韓国としてどう対応すれば良いのか、名案がないのが実情です。

小泉総理は、北韓(北朝鮮)との問題解決のため2度も平壌を訪れました。北韓の核問題が解決された暁には、日朝国交正常化交渉が本格化するでしょう。日朝関係正常化には米国はもちろん、韓国、中国との調整も必要になってくることですから、両国との関係をいつまでも今の状態のまま放置しておくことは得策ではないと思います。

台頭する中国を敵対視し、日米同盟だけに全部をかけることは結局、東アジアにおける米国の孤立を招きかねないという戦略論が昨今、米国のアジア専門家の間で相当強く言われていることにも耳を傾けるべきです。

日本の反中国論者の中には靖国問題で譲歩しても中国との関係は良くならないと言う人がいますが、まず靖国のトゲを抜いてから次の手を考えても遅くはないはずです。同時に、それは日本の道徳的立場を有利にすることになると思います。

盧武鉉大統領は、政局打開策として小泉総理が衆議院を解散した際に「うらやましい」ともらし、総理の政治力を高く評価したと伝えられています。選挙結果を受けて、祝電も送りました。「今度の勝利は総理の指導力と改革に向けた信念に対する日本国民の評価の表れ」と述べたうえ、「両国関係が未来志向で、かつ建設的に発展していくよう一層の努力をしてくださることを望みます」というメッセージでした。

小泉総理がアジアの尊敬される指導者として長く名をとどめるためにも、いま近隣諸国との間で生じている摩擦をめぐり、ぜひ、勇気ある決断をされることが望ましいと思います。

今度の総選挙の結果が、日本が新しい協力的なアジア外交を展開する契機になるとよいのですが。

2005年9月21日

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