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コリアうめーや!!

サムギョプサル

韓国で人気の豚肉。オシャレな料理に変貌も

2006年10月27日

 豚焼肉の勢いがすごい。韓国の焼肉は牛よりも豚! というのは韓国ファンの間で古くから交わされてきた言葉だが、最近はそれが日本にも応用できそうな勢いだ。韓国式の豚焼肉専門店が各地にでき始めている。

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 韓国では牛焼肉も食べるが、それ以上に豚焼肉を食べている。値段の高い牛焼肉は韓国でもたまに食べるごちそう料理。それに対して豚焼肉は気軽に食べられる庶民的な料理として広く親しまれている。中でも人気なのが豚バラ肉を焼いたサムギョプサルだ。

 サムギョプサルの魅力はやはり脂のうまさ。サンチュやエゴマの葉で包んで食べるため、嫌なしつこさを感じることはない。味付け用の味噌(サムジャン)、軽く焼いたニンニク、刻んだ青唐辛子などの薬味類も一緒に包み込むので、むしろ後を引くようにさっぱりと食べられる。最近は鉄板に白菜キムチを敷き詰め、豚肉から出た脂で焼き、これをサムギョプサルと一緒に食べるのも人気だ。

 かつては安い焼肉の代名詞的存在だったが、2001年頃からブロックのバラ肉をワインに漬け込んだワインサムギョプサルが流行し、一躍オシャレな料理へと変貌を遂げた。豚肉の臭みをワインで消すとともに、風味を加え、高級感も生まれた。それ以降、ハーブで下味をつけたハーブサムギョプサル、薄切りにした餅で包んで食べる餅(トッ)サムギョプサルなど、さまざまな工夫で各店がしのぎを削っている。

 東京でも2004年頃からサムギョプサルを中心とした豚焼肉の専門店が増え始めている。本場の韓国と同じく、それぞれ焼き方、味付けなど工夫を凝らした商品展開を繰り広げているが、ひとつ韓国と異なるのは素材で個性を出す店が目立ち始めたこと。

 東京・歌舞伎町の「Teji Tokyo」はスペインの銘柄豚として有名なイベリコ豚や、プラチナポークの名でも呼ばれる白金豚のサムギョプサルが自慢。特にイベリコ豚の脂身は群を抜くうまさで、店のほうでは「まずは塩とコショウで」という食べ方をすすめている。

 同じく、東京・新大久保の「てじまぅる」は山形県の平田牧場が出荷する三元豚、桃園豚、金華豚という3種の銘柄豚を提供している。サムギョプサルを中心に、モモ肉、ロース肉など各部位を盛り合わせたメニューが人気。肉質のよさを前面に出し、火が通ったギリギリを目安に、塩とゴマ油で食べるのが美味しいとしている。

 韓国料理といえばビビンバのようにさまざまな味を重ねていくのが持ち味だが、こうした素材のよさを重視し、味付けも最小限に留めるというのは極めて日本らしい発想。

韓国料理の魅力にまた別の角度から磨きをかける。そんな新しい味も日本で生まれつつある。

●サムギョプサルの魅力

 塩とゴマ油で食べる、サンチュで包んで食べる。サムギョプサルに限らず、いろいろな食べ方を楽しめるのが韓国焼肉の魅力だ。細切りにしたネギの和え物や、大根の酢漬け、ナムルなど、テーブル狭しと並べられるたくさんの食材を組み合わせ、好みの味を見つける楽しさもある。意外なところではごはんを一緒に包んで食べても美味しい。サンチュにごはんを一口乗せ、焼けた肉と味噌を少々。ガブリとかぶりつくと、さらなるボリューム感が楽しめる。

●店舗データ 地図

店名:Teji Tokyo
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-21-3第6本間ビル1階
電話:03-3207-5506

店名:てじまぅる大久保店
住所:東京都新宿区大久保1-16-5
電話:03-5291-3783

八田 靖史(はった・やすし)

 コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。



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