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韓国食器

2009年6月25日

  • 筆者 八田靖史

写真韓国厨房の外観写真韓国式の食器、調理器具が揃う(韓国厨房)写真石焼きビビンバの器(韓国厨房)写真Gallery韓路の外観写真酒器、茶器なども用意(Gallery韓路)

 東京の浅草と上野のほぼ中間地点に「かっぱ橋道具街」がある。食器や調理器具を扱う専門店が多く集まっており、業者のみならず、一般の買い物客や観光客も多く訪れる町だ。ここで韓国食器の専門店「韓国厨房」がオープンしたのは2005年。ちょうど韓国ドラマや映画が注目を集めていた時期で、韓国料理店も増えてきたことがオープンのきっかけになった。もともとの経営母体が韓国食材を扱う会社であり、食材だけでなく、食器も卸して欲しいという飲食店からの希望も強まっていた。

 オープンからしばらくは業務用の需要がほとんどだったが、昨年あたりから一般客の需要も増えてきたという。韓国料理に対する認識が広まったことで、家庭でも韓国料理を作る人が増えているとの実感があるそうだ。同じ作るのなら器も本格的なもので、と思うのは自然な流れ。トルソッと呼ばれる石焼きビビンバの器や、トゥッペギと呼ばれるチゲ用の器がよく売れる。冷麺用の器や、金属製の箸、スプーンも人気商品だ。

 売れ行きは料理のブームとも密接に関係しており、最近ではスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)の器を求める客が多いとのこと。スンドゥブチゲの専門店は東京、大阪を中心に増えており、日本人にとっても馴染み深い料理になってきたようだ。

 東京・新大久保にも韓国食器を扱う店は多い。新大久保は韓国関連の店が多く集まるコリアンタウンとして、毎日多くの韓国ファンが集う町。韓国スーパーや雑貨店を巡りつつ、お土産がわりに箸やスプーン、鍋などを買って帰る人たちの姿がある。高級食器を扱う「Gallery韓路」も、もともとは韓国楽器の専門店としてスタートしたが、「楽器に限らず韓国のいいものをたくさん紹介したい」として近年食器も扱うようになった。

 青磁、白磁、粉青沙器などの食器とともに、自慢の品として紹介しているのがオンギ(甕器)と呼ばれる素焼きの甕。焼き物で有名な韓国の利川(イチョン)や驪州(ヨジュ)から仕入れたもので、キムチやコチュジャンの保管に使われる。オンギは「呼吸をする食器」と称されるほど通気性に優れており、中に入れたものをほどよく熟成させる効果がある。韓国スーパーや飲食店で購入したキムチを保管する専用の容器として、購入していく人が多いそうだ。

 ここ数年続く韓国ブームで韓国料理店も身近にずいぶん増えた。家庭にも韓国料理が進出していく状況をみると、その料理をより美味しく食べるための食器、調理器具はますます需要が高まりそうだ。

●韓国食器の魅力

 上記にあげた以外にも、韓国風の食卓を演出するためのアイテムはたくさんある。チゲ用の器を利用するなら、下に敷く専用の鍋敷き(パッチム)もぜひ用意したいところ。ガスレンジから移すためのトング(チプケ)も必要になるし、ごはんを盛り付ける器も韓国の食堂でよく見かけるステンレス製のものが理想的だ。ちょっとした小物を揃えることで、食卓が韓国の食堂に変化。手軽に旅行気分を味わうことができる。

●店舗データ地図

店名:韓国厨房

住所:東京都台東区松が谷3−1−16

電話:03−3847−7611

店名:Gallery韓路

住所:東京都新宿区百人町1−11−2MOMOビル1階

電話:03−5330−5383

プロフィール

八田靖史(はった・やすし)

コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。

日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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