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全国に展開する韓国料理店

2009年9月30日

  • 筆者 八田靖史

写真Korean Kitchen まだん銀座店。9月1日オープン 写真看板料理のひとつ「贅沢!特上鉄板鍋」(まだん) 写真2フロア、全126席の大型店舗(まだん) 写真東京純豆腐 自由が丘店。9月11日オープン 写真潤健美スンドゥブ(手前)ほか、具の選択肢は豊富(東京純豆腐) 写真白を基調とした明るい店内(東京純豆腐)

 9月上旬。ほぼ同時期に2軒の韓国料理店から、新規オープン店舗のレセプションに招待された。職業柄、新規オープンのお知らせはよく受け取るが、1軒は関西に本拠地を持つ店の東京進出、もう1軒は創業からわずか3年半弱で18店舗目のオープンと、勢いのある話に驚いた。ここ数年、韓流の恩恵から比較的元気のよかった韓国料理業界も、昨今の経済状況からあまり景気のよい話が聞かれない。不況の時期にいっそう元気な2店舗を訪れ、好調の理由について聞いてみた。

 9月1日に銀座に店を構えた「Korean Kitchen まだん」は大阪の鶴橋に本店を持つ韓国家庭料理店。大阪、兵庫といった関西エリアで展開しており、銀座店は10店舗目になる。「世界の銀座に出店することはブランド力の向上という点で大きいですね。大阪での実績を東京で試す意味合いもありますし、成功すればそれがまた大阪にも返ってきます」と趙成徹社長。看板料理は大阪を発祥とする韓国式の鉄板鍋(正方形の鉄製鍋で牛肉やホルモン、野菜などを煮込んだ料理)だが、サムゲタン(ひな鶏のスープ)、サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)といった定番の韓国料理もまんべんなく揃える。「大阪は比較的在日コリアンの料理が食文化に浸透していますが、東京はむしろ韓国本土の味を知る人が多い。大阪で培った味は東京でも受け入れられると思いますが、まるっきり同じでは駄目でしょう」とも分析。サムゲタンの鶏肉をウコッケイにかえたバージョンアップメニューなど、新たなチャレンジにも意欲を燃やしている。

 9月11日に自由が丘でオープンしたのは「東京純豆腐」。日本でも少しずつ知名度を得てきたスンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)の専門店で、2006年4月の1号店オープン以来、順調に店舗数を増やしている。現在は東京のみならず千葉、神奈川、宮城、沖縄にも出店しているが、「ただ店舗数だけを増やしているのではなく、商業施設を中心に長く続けていける場所を厳選しています」と杉山浩之部長。好調の理由を「バリエーション豊富なメニュー構成と、女性ひとりでも気軽に入れるカジュアルな雰囲気が評価されていると思います」と語る。本国ではごくありふれた家庭料理のひとつだが、好みによって辛さやトッピング、ベースの味を選べるなど、本国を超える多彩な食べ方、楽しみ方を自慢としている。辛さのまったくない「白スンドゥブ」や、コラーゲンボールとヒアルロン酸ジュレを加えた「潤健美スンドゥブ」など、個性的なメニュー群はまさにその象徴。東京発の新しいスンドゥブチゲとしてアピールしている。

 どちらの店も不況下にあって、しっかり足元を固めながら店舗数を伸ばしている印象。また新たなフィールドに合わせた工夫と努力も惜しまない。全国規模での店舗展開を進めることで、店の名前や看板料理の知名度は今後も着実に上がってゆくだろう。そしてそれは同時に、隣国の食文化が広く伝わっていくメリットにもつながる。人気店の活躍による、すそ野の拡大にも大きな期待を寄せたい。

●店舗限定メニューの魅力

 各店舗の基本的なメニューは同じでも、支店によって限定メニューを用意しているケースは多い。例えば「Korean Kitchen まだん銀座店」では、海鮮塩チャプチェ(春雨炒め)を限定商品として提供している。「東京純豆腐」も東京ドームシティラクーア店にて中川翔子さん命名の「牛すじア・ラ・モード」、六本木ヒルズ店では10月30日まで「ウニスンドゥブ」を提供している。

●店舗データ地図

Korean Kitchen まだん銀座店

東京都中央区銀座5−9−5チアーズ銀座7、8階

03−5537−3450

http://www.madan.co.jp/

東京純豆腐 自由が丘店

東京都目黒区自由が丘2−9−6Luz自由が丘地下1階

03−5731−1139

http://www.tokyo-sundubu.net/

プロフィール

八田靖史(はった・やすし)

コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。

日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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