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韓国料理店の融合

2009年12月25日

  • 筆者 八田靖史

写真ヤマダ電機「LABI1日本総本店池袋」7階に位置(KollaBo)写真総座席数は150席と広々している(KollaBo)写真スンドゥブチゲは2種類を準備(ソゴンドントゥッペギチプ)写真燻製サムギョプサル(元祖燻製サムギョプサル)写真黒毛和牛の焼肉盛り合わせ(高麗屋)写真生マッコリとカクテルマッコリ(トゥクタ)

 去る10月30日。東京、池袋でヤマダ電機の「LABI1日本総本店池袋」がオープンし話題になった。年末に向けて多くの来店客で賑わっているが、その7階レストランフロアにちょっと面白い店がオープンしている。見た目は普通の韓国料理店なのだが、店の名前が「KollaBo(コラボ)」。複数の飲食店がコラボレーションしてできたというユニークな形式で、日韓で活躍する7つの飲食店が集まり単独店舗を構成している。

 まず、目を引くのがスンドゥブチゲ(柔らかな豆腐の鍋)を専門とする「ソゴンドントゥッペギチプ」。数年前から日本でもスンドゥブチゲの名前は少しずつ広まっているが、その歴史をたどってゆくとこの店にたどりつく。「父がソウルの小公洞(ソゴンドン)で店を開いたのは1962年でした。スンドゥブチゲの専門店として店を開いたのはうちが最初です」と2代目の許永錫社長。現在はソウルを中心に38店舗を展開する人気店だが、日本への進出は初めてということもあり、社長自らが来日して技術指導に当たっている。

 ほかにも韓国で200店舗以上を展開する燻製サムギョプサル(豚バラ肉の焼肉)の専門店「元祖燻製サムギョプサル」や、韓流スターも訪れるという大阪の人気焼肉店「高麗屋」、豚肉やごはんを葉野菜に包んで食べる「本家野菜サムバ」など、そうそうたる顔ぶれが自慢のメニューを提供。日韓で人気が高まっているマッコリも専門店が担当する。ソウルで学生街を中心に人気を集めるマッコリ居酒屋の「トゥクタ」が、加熱処理を施さない生マッコリを直送。この店の生マッコリは京畿道地域の無形文化財に指定された蔵で醸造されており、名人が造る高級志向のマッコリとして韓国で評判が高い。そのほかランチタイムとディナータイムの間には、「グラスゴー」、「仁寺洞カフェ」という2軒のカフェが韓国の伝統茶やコーヒーなどを提供している。

 韓国料理店が融合するスタイルについて、総責任者の任和彬オーナーはこう語る。「韓国の飲食店は専門店が多く、ひとつの味で勝負するスタイルがほとんどです。日本への進出を考える店も多いですが、単一メニューだけではなかなか日本のお客さんにご満足頂けません。複数の店がコラボをすればいろいろな韓国料理を楽しんで頂けますし、1社だけでリスクを抱えることもありません」

また、多くの店が集う際のポイントとして「家業型」の維持を掲げている。複数の店が集まってひとつの大きな企業になるのではなく、それぞれの店が自分たちの味をしっかり守ることが重要とのこと。「KollaBo」はあくまでもひとつの箱に過ぎず、その中でいかに本場と変わらぬ味を追求するかに力を注いでいる。

 来店客にとっては、たくさんの店の味を1ヶ所で楽しめる便利な店。フードコートなどとは違って、注文や会計を別に行うわずらわしさもない。多店舗が結集して生まれるコラボレーションの力が、今後どう展開してゆくのか期待を込めて見守りたい。

●韓国料理と専門店

 韓国では特定の料理を専門とする店が好まれる。焼肉ひとつとっても牛焼肉と豚焼肉の専門店は明確に分かれており、さらには内臓肉だけを扱う店や、特定部位だけを扱う店も存在する。こうした焼肉の専門店では日本人に馴染みの深いピビムパプ(ビビンバ)やチヂミといった料理は出てこない。また焼肉には焼酎が定番とされるため、マッコリを一緒に飲める店も極めて稀である。韓国の飲食店が日本に進出する際には、特定の料理を専門に扱いたい店側の意図と、いろいろな韓国料理を味わいたい日本人のニーズがひとつの壁になっているようだ。

●店舗データ地図

KollaBo

東京都豊島区東池袋1−5−7LABI1日本総本店池袋7階

03−5944−9211

プロフィール

八田靖史(はった・やすし)

コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。

日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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