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韓国式の餃子鍋

2010年11月29日

  • 筆者 八田靖史

写真マンドゥジョンゴル(たくあん)写真韓国式の焼き餃子(たくあん)写真皮からすべて手作りしている(たくあん)写真餃子を加えたスンドゥブチゲ(東京純豆腐)写真池袋パルコ店にて先行発売予定(東京純豆腐)写真池袋パルコ店の内観(東京純豆腐)

 冷え込みが厳しくなるにつれて、「今年の冬は餃子鍋がブーム」という話題が聞こえてきた。カレー鍋やトマト鍋などに続く、新たなアレンジとして注目されているらしい。すでにテレビや雑誌などでも特集が組まれており、試してみたとの話もちらほら聞く。ありそうでなかったという声もあるし、我が家ではすでに定番という声もあるようだ。せっかくのブームなので、シーズンのうちに一度試してみようと思いつつ、ふとあることに思い至った。そういえば韓国にも餃子鍋に相当する料理がある。

 韓国語では餃子のことをマンドゥと呼び、中華料理のひとつとして親しまれている。水餃子、蒸し餃子、焼き餃子(ただしたっぷりの油で調理するため仕上がりは揚げ餃子に近い)を中心としつつ、韓国的な要素を加えたキムチ入りの餃子も一般的。中華料理店のみならず、一般の食堂や、屋台でも定番料理としてメニューに並ぶ。単一の料理ではなく食材として扱う場合も多く、活躍の場は韓国においても多彩である。その一例がマンドゥジョンゴルという料理であり、マンドゥを主材料とした鍋のことだ。

 コリアンタウンとして知られる東京、新大久保には、「たくあん」という韓国式の餃子専門店がある。店で提供するマンドゥは、すべて皮から作る自家製。豚肉、水切りをした豆腐、韓国春雨に7種類の野菜を加えて具とし、小麦粉とトウモロコシのでんぷんを混ぜた皮で包んでいる。サイズは大ぶりだが、豆腐、春雨の影響で、味わいは意外に軽い。このマンドゥに野菜やキノコなども加え、牛骨スープで煮込んだ料理がマンドゥジョンゴル。タデギと呼ばれる唐辛子ペーストを加えるのでピリ辛に仕上がる。

 主材料としてだけでなく、既存の料理にマンドゥをトッピングするケースもよく見かける。韓国式の雑煮であるトッククに入れたり、屋台料理として人気の高いトッポッキ(餅の炒め物)に加えたり。また韓国ではラーメン(ラミョン)というとインスタントを調理したものが飲食店でも主流だが、これにもマンドゥを載せたものもメニューに並ぶ。

 近頃、日本でも少しずつ知名度を高めてきた、スンドゥブチゲ(柔らかい豆腐の鍋)にもトッピングとして加わることがある。東京、大阪、名古屋などで23店舗を展開するスンドゥブチゲの専門店「東京純豆腐」では、ちょうどこの冬から餃子の入ったスンドゥブチゲを新商品として提供することとした。自慢のスンドゥブチゲに肉餃子とエビ餃子をトッピングしたもので、12月中旬より「東京純豆腐 池袋パルコ店」にて先行販売される予定。順次、扱い店舗も拡大を計画しているとのことだ。

 冬が本格化するにつれて、どれだけ餃子鍋のブームが盛り上がっていくのかはわからないが、うまく定着していくのであれば、ぜひそこに韓国式も選択肢のひとつとして仲間に入れて欲しい。韓国式の餃子鍋では、唐辛子が入ることが多いので、冬の寒さをより内側からぽかぽかと温めてくれるはず。すでに日本の家庭で定着したキムチ鍋にも、餃子はよく合うのではないだろうか。

●マンドゥの魅力

 韓国で気軽にマンドゥを味わうなら、中華料理店や屋台とともに粉食店(プンシクチョム)をおすすめしたい。読んで字のごとく、小麦粉を使った料理を中心とする軽食店で、マンドゥのほかカルグクス(韓国式のうどん)やスジェビ(韓国式のすいとん)といった料理などを提供する。水餃子や蒸し餃子のほか、マンドゥククと呼ばれる餃子スープも人気メニューのひとつ。牛スープや煮干しダシのスープに餃子を加えている。

●店舗データ地図

店名:たくあん
住所:東京都新宿区大久保1−11−1朝日ビル2階A号
電話:03−3202−3968

店名:東京純豆腐 池袋パルコ店
住所:東京都豊島区南池袋1−28−2池袋パルコ7階
電話:03−6907−4311

プロフィール

八田靖史(はった・やすし)

コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。

日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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