2011年6月29日
Market Oのパッケージ
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人気の高いリアルブラウニー
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東京、新大久保の韓国広場
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韓国広場には韓国の菓子類が充実
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新宿小田急ミロードのイロミネ バイ イッツデモ
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イロミネ バイ イッツデモは個包装商品やギフトパックも揃える
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韓国を訪れる観光客が買うお土産といえば、キムチ、海苔、高麗人参製品などが定番である。ほかにもコチュジャンやゴマ油などの調味料類、BBクリームに代表される化粧品類、伝統茶、インスタントラーメンなども人気が高い。いろいろ選択肢のある中で、最近もっともよく売れているのは菓子らしい。今年5月の韓国の報道によれば、韓国の大手スーパーで日本人、中国人観光客が購入したお土産の1位、2位はMarket O(マーケットオー)というオリオン社の菓子シリーズであった。
このMarket Oが韓国で発売されたのは2008年秋。もともとMarket Oはソウルにある自然派レストランの名称で、店で提供されていた菓子を市販化した形だ。子どもよりも大人にアピールする本格派の菓子として、「リアルブラウニー(ピュアチョコレートを使用したホームメードスタイルのブラウニー)」、「ベイクドフロマージュ(3種類のチーズを使ったポテトスナック)」、「ウォータークラッカー(天然酵母を使用したクラッカー)」の3種を販売。好評を受けて、現在は15種類までシリーズが増えている。
このMarket Oが日本の韓国ファンに知られ始めたのは、2010年6月に亡くなった俳優パク・ヨンハさんの力が大きかった。自らのお気に入りとしてイベントでファンに配り、それをきっかけとして注目度が高まった。2010年7月にはオリオン日本支社によって日本での正式発売に至り、現在までに5種類を日本市場で展開している。
コリアンタウンとして賑わう東京、新大久保に行くと、韓流ショップや、韓国スーパーなど、至るところでMarket Oは人気商品として販売されている。「いちばん人気の高いリアルブラウニーを中心に日本の方が多く買って行かれますね。当店では2カ所のコーナーに置いてありますが、よく売れるので今月からまた棚割りを広くしました」と韓国スーパー「韓国広場」店長の趙碩済さん。
また、Market Oを日本進出初期から扱っている店に、ファッションバラエティセレクトショップの「イッツデモ」がある。当初、18店舗で扱い始めたが、好評を受けて現在は食品を扱う全51店舗で販売している。「当初は韓国旅行のお土産でもらって美味しかったというお客様が多かったですね。日本でも買えるんだ、という驚きの声をよく聞きました。最近はリピーターも増えていますし、クチコミによる広がりも感じます」と「イロミネ バイ イッツデモ」食品担当スタッフの菅絢子さん。特に最近はK−POPに関心を持つ若い世代も増えており、幅広い層に支持されることから、Market Oという商品がある種のコミュニケーションツールにもなっていると指摘する。
オリオン日本支社によれば、一部のコンビニや大手スーパーへも販売が拡大しているとのこと。ギフトパックや個包装の商品も用意し、多様なニーズに応える準備も整った。韓国ファンには馴染みの商品だが、韓国という枠を越えて少しずつ日本市場に浸透しつつある状態といえよう。韓国ファンの心をつかんだお土産のナンバーワンは、日本でも広く定番の座を獲得できるだろうか。
●韓国の菓子事情
Market Oに代表される高級志向の菓子はほかにもある。同じくオリオン社の「Dr.YOU」は「菓子で栄養を設計する」のをコンセプトに家庭医学専門の大学教授が開発に参与。ロッテの「Mother‘s Finger」は母の手料理をモチーフに安全と健康を打ち出し、「B:meal」は食事の代用を提案する。背景には数年前からの流行である「ウェルビン(Well Being=食生活や体調管理に気を配り健康な生活を送ろうとのスローガン)」ブームの影響もあるようだ。
●店舗データ(地図)
店名:韓国広場
住所:東京都新宿区歌舞伎町2-31-11
電話:03-3232-5400
http://www.ehiroba.jp/
店名:イロミネ バイ イッツデモ
住所:東京都新宿区西新宿1-1-3新宿小田急ミロード2階
電話:03-6324-2642(ワールド プレスインフォメーション)
http://itsdemo.jp/
社名:オリオン日本支社
住所:東京都中央区日本橋堀留町2-10-9清紅ビル4階
電話:03-6667-8361
http://www.orion-japan.com/
コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』、『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』、『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。
日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。