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韓国料理と百貨店の催事

2012年1月20日

  • 筆者 八田靖史

写真西武池袋本店での会場風景 ※写真をクリックすると拡大します 写真会場では韓国通のセミナーも開催。写真は女優の黒田福美さん ※写真をクリックすると拡大します 写真Korean Dining KOSARI TOKYOの美人韓食(写真提供:スッカラ/撮影:室井英雄) ※写真をクリックすると拡大します 写真宮廷焼肉 千の花の参鶏湯御膳 ※写真をクリックすると拡大します 写真韓流冷麺sunmoonのチェンバン冷麺 ※写真をクリックすると拡大します 写真Korean Organic nabiのタクハンマリ(写真提供:スッカラ/撮影:室井英雄) ※写真をクリックすると拡大します

 昨年、百貨店の催事場にて、韓国料理についてセミナーをするという機会を得た。株式会社そごう・西武が主催する「エネルギッシュコリア 韓流 美・味 展」という催事の一部で、東京、横浜、神戸など5カ所の地域で行われた。会場は熱気にあふれ、多くの韓国商品がずらりと並んだ。韓国をテーマに百貨店の催事が行われるということ自体も驚きであったが、それ以上に、催事が可能なほど多様な商品が日本に入ってきている事実に衝撃を受けた。かつては催事で韓国というとキムチばかりが目立っていた印象だが、いまでは状況がまったく様変わりしている。

 株式会社そごう・西武の販売促進部によれば、催事で韓国を大々的に扱ったのは昨年が初めて。それが好評を受けたことで、今年は「エネルギッシュコリア 韓流 美・味 展2012」として東京(西武池袋本店)、神奈川(そごう横浜店)、千葉(そごう千葉店)広島(そごう広島店)の4地域で開催を予定している。これらを支持している顧客層は圧倒的に女性とのこと。「開店と同時にミセス層の方々が来店され、夕方になると学校帰りの女子高生、その後は仕事が終わったOLの方々がいらっしゃいます」と同販売促進部。他の催事と比較しても、各世代が入れかわりつつ終日賑わう姿が顕著であり、全世代の女性層にアピールできるのがこの催事の魅力と分析している。韓流が以前のような主婦層だけでなく、幅広い女性層に浸透したことが、こうした催事を盛り上げる要因になっているようだ。

 ターゲットが女性を中心とすることで、催事のコンセプトには「美」が掲げられている。韓国化粧品や小物雑貨も「美」に直結するが、それとともに強調されるのが「美食」の存在である。韓国では「薬食同源(ヤクシクトンウォン)」という言葉がよく使われ、食べるもので健康、美容を維持するという意識が非常に高い。それを今年の同催事では「美食同源の国」というフレーズで表現し、料理や食材を通じて、韓国ならではの「美」を体感してもらいたいとしている。

 期間内、会場はバラエティに富んだ韓国料理であふれるが、その中でも注目したいのがイートインの充実である。韓方医キム・ソヒョン氏のおすすめ素材を使って「Korean Dining KOSARI TOKYO」が作る野菜たっぷりのプレート「美人韓食」や、『ミシュランガイド東京・横浜・湘南2012』で1つ星を獲得した「宮廷焼肉 千の花」の「参鶏湯御膳」、本格冷麺をおぼんに盛って提供する「韓流冷麺sunmoon」の「チェンバン冷麺」、こだわりの薬味と柔らかな鶏肉をスープ形式で味わう「Korean Organic nabi」の「タクハンマリ」など、国内有名店の自信作がずらりと並ぶ。

 なお、今年の第1弾となる「西武池袋本店」での開催は、1月20日(金)から25日(水)まで。その後、5月22日(火)〜28日(月)まで「そごう横浜店」。8月、9月には「そごう千葉店」、「そごう広島店」と続く予定だ。

●韓国料理と五味五色

 韓国料理と健康を語る際、もうひとつキーワードとなるのが「五味五色(オミオセク)という言葉だ。これは5種類の味(辛・甘・酸・鹹・苦)と、5種類の色(白・黄・赤・緑・黒)の食材を表し、これらをまんべんなく摂取することで、体内のバランスを整えるという陰陽五行の考え方に由来する。韓国料理にたくさんの野菜が使われ、彩りも豊かであるのは、こうした五味五色の概念も大きく影響している。

●店舗データ地図

店舗:西武池袋本店
住所:東京都豊島区南池袋1-28-1

電話:03-3981-0111(代表)

店舗:そごう横浜店
住所:神奈川県横浜市西区高島2-18-1
電話:045-465-2111(代表)

プロフィール

八田靖史(はった・やすし)

コリアンフードコラムニスト。1976年生まれ。東京学芸大学アジア研究学科卒業。1999年より1年3カ月間韓国に留学し、韓国料理の魅力にどっぷりとハマる。2001年に韓国料理をテーマにしたメールマガジン「コリアうめーや!!」を創刊。同名のホームページ(http://www.koparis.com/~hatta/)も開設し、雑誌、新聞などでも執筆活動も開始する。著書に『八田式「イキのいい韓国語あります。」』『3日で終わる文字ドリル 目からウロコのハングル練習帳』『一週間で「読めて!書けて!話せる!」ハングルドリル』(いずれも学研)がある。

日々、食べている韓国料理を日記形式で紹介するブログ「韓食日記」も運営中(http://koriume.blog43.fc2.com/)。 ※執筆者の新著が出ました。「魅力探求!韓国料理」(小学館)。

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