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河童の「クゥ」で街おこし 東京・東久留米

2007年06月06日

 頭のてっぺんに水をためるお皿があり、亀のように甲羅を背負った妖怪? 水の神の化身? 7月28日から松竹系で封切られる河童(かっぱ)が主人公のアニメ映画「河童のクゥと夏休み」は東京都東久留米市が舞台だ。現代によみがえったクゥが大騒動を巻き起こす。地元は「この夏はクゥで街おこしを」と活気づいている。

写真現代によみがえった河童のクゥ (c)2007 木暮正夫/「河童のクゥと夏休み」製作委員会

 小学生の上原康一は、下校途中に大きな石を拾う。持ち帰って水で洗うと、300年間も地中に閉じ込められていた河童の子どもが現れた。上原一家は、鳴き声から「クゥ」と名づける。夏休み、河童伝説の残る岩手県遠野市へ仲間探しの旅に出るクゥと康一。やがてクゥの存在はマスコミに知られ、大騒ぎに――というストーリーだ。

 監督は「映画クレヨンしんちゃん」シリーズを手がけた原恵一さん。東久留米の児童文学者で1月に亡くなった木暮正夫さんの小説「かっぱ大さわぎ」と「かっぱびっくり旅」を脚色し、5年の製作期間をへて完成させた。

 アニメには市内の風景が随所に登場する。康一がクゥと出会ったのは黒目川の遊歩道。人目を避けて暮らすクゥをこっそり連れて行ったのは南沢の湧水(ゆうすい)地。いじめを受ける同級生の女の子が1人で過ごすのは小山台遺跡公園のベンチ、という具合だ。

 原作の舞台は、実は東久留米ではない。木暮さん宅を訪れた原監督が、二つの川が流れる東久留米を気に入りアニメに反映させたのが真相だ。

 それでも、市内には昔から様々な「河童伝説」がある。市内の民謡研究家、森田圭一さん(63)は99年に「河童様の神話」という小冊子をつくった。市内に伝わる「里唄(さとうた)」を探し歩くうち、古老から聞いた河童の神話をまとめた。

 土が軟らかすぎて田植えができずに困っていると、河童が一夜のうちに、きれいに苗を植えてくれた話などが紹介されている。市内の洋菓子店「テラス シャモア」には、この河童伝説をもとにした「めおとカッパ」というオリジナル菓子もある。

 市内で農業を営む貫井健一さん(50)は今も、その年初めて収穫したキュウリ1本を黒目川に流している。十数代続く農家。子どもの頃、夏になると泳いだり、たらいを浮かべたりして遊んだ。好物のキュウリを供え、水難に遭わないように祈る習わしという。

 話題のアニメと河童伝説で街おこしを――。同市の野崎重弥市長は今月、アニメのもう一つの舞台である遠野市を視察した。市役所内には部長級の支援委員会と、若手職員中心の活動委員会も発足。映画の公開に合わせ、様々なイベントを企画して街をPRする考えだ。

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