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72歳、自転車で日本ぐるり

2007年08月30日

 東京都武蔵野市在住の1級建築士、佐々木直(ただし)さん(73)が7月末、自転車による日本一周を成し遂げた。70歳でスタートし、6382キロの行程を16回に分けて延べ87日、72歳までの約2年4カ月をかけて達成した。「何かしていないとダメな性格」と話す佐々木さん。次の挑戦は、三蔵法師の足取りをたどるシルクロードの旅だ。

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自転車での日本一周を達成した佐々木直さん=北海道浜頓別町で(本人提供)

 佐々木さんは、69歳になった03年8月から長距離のウオーキングに挑戦、東海道と中山道を完歩した。途中、長野県で出会った自転車ツーリングの中年男性の姿に魅せられ、「次は自転車だ」と決意したという。

 東京に戻ったあと、早速市内の自転車店でロード用の自転車を購入。近隣での練習走行を経て、05年4月、日本一周をめざし自宅を出発した。70歳での挑戦だった。

 走ったのは、日本を反時計回りに一周するコースだ。千葉・銚子で太平洋岸に出て海沿いを北上。青森を経て日本海側を南下し北陸、山陰を走った。当初は鹿児島で折り返すつもりだったが、「長崎で、沖縄出身という若い女性に『日本一周なら沖縄まで行かなきゃ』と言われちゃって」。鹿児島から船で沖縄本島へ足を延ばした。

 その後、太平洋側を走って東京へ戻り、残った北海道一周を先月完了。ゴールの函館に着いたのは7月31日だった。

 「今まで仕事であちこちに行ったが、これだけ地べたを走ったことはなかった」と振り返る。

 新潟では震災前の柏崎刈羽原発のそばを通り、沖縄では米軍機の轟音(ごうおん)に驚いた。「実際にこの目で見た場所は、新聞に出るとすぐ分かる。ニュースの見方が変わりましたね」

 旅を通じ、人情に触れた。茨城では、一度通り過ぎた軽ワゴン車が戻ってきて、「水分補給に」と両手いっぱいのイチゴをくれた。他の土地でも、スイカを分けてくれる人、おにぎりを持たせてくれる人。「たくさんの見ず知らずの人が親切にしてくれた」と佐々木さん。「自転車が体力的に無理になったら、同じ場所を訪れて歩いてみたい」と話す。

 「偉業達成」から休む間もなく、18日には早くも次の旅に出発する。情報紙で知った市民団体「シルクロード雑学大学」(長澤法隆代表)が主催する「シルクロード自転車キャラバン」に参加するためだ。唐代の僧・玄奘(げんじょう)三蔵が旅した道をたどり、中国・西安から天水までの約500キロを20日からの5日間で走る予定だ。

 「日本一周の間、一度もパンクしなかった」という愛車とともに、アジアの大地を存分に駆けめぐるつもりだ。

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