大哺乳類展 陸のなかまたち 国際生物多様性年 E.シートン生誕150周年/W.T.ヨシモト生誕100周年
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[朝日新聞記事から] 星野道夫さんの仕事も紹介 大哺乳類展

(2010年3月16日)

 写真家の故・星野道夫さんは、北米・アラスカに生きる野生動物の写真で知られる。エスキモーの家族とひと夏を過ごした20歳の頃からアラスカに魅せられ、1996年にロシア・カムチャツカ半島でヒグマに襲われて亡くなるまで約20年、極北での撮影に没頭してきた。「大哺乳類(ほにゅうるい)展」ではその作品とともに、遺稿や愛用の品々も紹介する。

 アラスカは冬の気温がマイナス50度まで下がる極寒の地だ。その冬を生き抜く動物たちは、繊細な生態系のバランスに命を支えられている。

 「強さともろさを秘めた、緊張感のある自然」。そう表現した星野さんは、いつクマに出合うかもしれない緊張とともにひとり野営を続け、被写体を追い求めた。「1頭のクマは、広大な原野の風景を引き締める」と書いている。

 子グマを連れ雪原をいくホッキョクグマの母親、遡上(そじょう)してきたサケを狙うグリズリー…。貴重な野生を記録しながら、原初の自然が北極圏からさえ失われつつあることに危機感を抱いていた。数万頭ものカリブーが、出産のためツンドラ地帯へ1千キロも大移動する光景に遭遇した時は、「間に合った」という思いに駆られたと記している。 93年に結婚し、撮影に同行したこともある妻の直子さんは「同じクマでも個体によって人間を気にする距離が違うので、相手との距離を測りながら撮影していた」と生前の星野さんを振り返る。

 「(人間は)動物の命をいただくことでその土地に根付く、という意識を持っていたので、写真のテーマも徐々に狩猟民であるアラスカ先住民と野生動物の関係へと移っていました」と話している。

 東京・上野の国立科学博物館で開かれる「大哺乳類展」では、カリブーの大移動をはじめとする写真のほか、亡くなる直前に書かれた雑誌の原稿や、撮影中の出来事をつづった日誌も見ることができる。野営生活で愛用したコーヒーポット、カメラ用のリュックサックなども展示する。

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