障がい者支援センター相談員 西尾寿士(東大阪市 50)
知的障害のある娘とその父を描いた映画「くちづけ」を見た。先に見た友人は、感動で涙が止まらなかったという。しかし私は全く違う思いにかられた。障害者問題を悲劇の物語にし、同情や哀れみを誘っているように思えた。何より、障害者は家族などの手をかりなければ生きられない存在として描かれていることに強い違和感を覚えた。
私は知的障害者施設でも働いたことがある。長年にわたる障害者運動によって、重い障害のある人が地域で暮らしていくことは人間の権利であり、当たり前のことである、という考え方が少しずつ広まっている。確かに困難なこともあるし、失敗もある。課題も多い。しかし、たくさんの障害者が家族から自立して、自分らしく生きることにチャレンジしている。グループホームの数も増えた。