ごみの減量

　１９９５年に制定された容器包装リサイクル法は、日本のリサイクル制度の先駆けです。埋め立て処分場がひっぱくして、家庭から出るごみのうち体積で６割、重量で２割を占めるプラスチックや紙などの容器包装ごみの減量とリサイクルが必要になったのが理由です。それまで自治体が責任を担っていたごみ処理について、消費者が分別、自治体が収集、メーカーや販売者がリサイクルに、協力して取り組むことを義務づけました。
　ごみが増えれば、それぞれの負担が増すため、国は、この法律がごみ減量につながると考えました。ところが、期待通りには行きません。ごみの排出量やリサイクルの量は、５年ほど前からほぼ横ばいの状態が続いています。費用負担は、自治体が年間約２５００億円なのに対し、事業者は約４００億円とバランスが取れていません。消費者の中には複雑な分別に、自治体やメーカーの中には費用負担に、それぞれ不満を抱いているところもあるかもしれません。容器包装以外のプラスチックもリサイクル義務の対象に加えるなど、制度の抜本的な改正の必要が指摘されていますが、国は及び腰です。

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