「女子力」って？(2016/12/26)

　「女子力」という言葉が誕生したのは、漫画家の安野モヨコさんが女性誌「ＶＯＣＥ」（ヴォーチェ）に連載していたエッセー「美人画報」からだとされています。２０００年１０月号で、安野さんは担当編集者の妻のたたずまいを絶賛、「かわいすぎるぜ！！　嫁に欲しい！！　どうだ俺の嫁にならないか。もう、完全にこっちが男に変わってしまうほどの女子力です」と使っています。
　その後、「女子力」は０９年のユーキャン新語・流行語大賞の候補にもなりました。この言葉を使う動きがぐっと本格化したのが１１年。特定の言葉がどれだけ検索されているかの動向を見るグーグルトレンドで「女子力」という言葉の検索状況を調べると、ここ５年ほどは減りも増えもせず、といった傾向が続いています。
　「女子力」は、どんな意味合いで使われてきたのでしょうか。
　当初は、美容、着こなしへのモチベーションが高い女性が「女子力が高い」と表現され、「もてる」という異性の視点も入っていました。名古屋市立大の菊地夏野准教授が１３年、愛知県の大学に通う約８００人に実施した調査では、「女子力が高い」と聞いてイメージするのは、「家事」「服装」「メイク」でした。
　一方、「仕事上の能力が高い」という意味で使われたり、１２年夏のロンドン五輪を巡る報道で女子選手の活躍ぶりに「女子力」が多用されたりするなど、メディアで使われる意味は多様化していきます。
　最近では、女子校などでのイメージ作りでも使われています。聖徳大学付属女子中学・高校（千葉県松戸市）のサイトでは「女子力」を「これから社会に出たときに、明確なビジョンを持ってきちんと自立できる女性になるための力」などと挙げています。

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