解決策はどこに、子どもの貧困

　子どもの貧困対策法が２０１４年に施行されて以降、支援の幅が広がっています。
　同法の重点施策には教育、生活、親の就労、経済的、の各支援があります。給食費や制服代を補助する従来の就学援助制度に加え、生活困窮家庭の子どもが放課後に無料で学べる学習支援の場が増えています。一方、生活保護世帯の子どもは、本人分の保護費を受給しながら大学や専門学校に進学することはできない制度になっています。大学などに進む場合、給付型奨学金が１８年度から全面的に導入される予定ですが、金額や対象人数の少なさが指摘されています。
　ひとり親の子ども向けに学習支援と食事の提供をする自治体に対し、政府が補助する事業が始まっています。また、低所得のひとり親に支給される児童扶養手当は、昨年１２月支給分から第２子以降の支給額が最大で倍増しました。
　親の就労分野では、相談や資格取得の促進のための給付金などがあります。しかし、母子家庭の母親の８割はすでに働いており、５割以上は派遣社員やパートです。日々の生活費に困っている人が、スキルアップのための時間をとることは難しいと言われています。当事者団体などからは、雇用した場合に企業にメリットがある仕組み作りなど、国が経済界に協力を求めて欲しいという声があがっています。
　民間や地域の人たちが中心となって進めているのが、ご飯を食べたり遊んだりできる子ども食堂などの居場所づくりです。ただ、どの地域にもあるわけではなく、頻度も月１回程度のところが多いです。
　必要な人に支援が届くように、内閣府は地域ネットワークをつくって子どもの貧困のワンストップ型支援をめざす自治体向け交付金をつくりました。学校と福祉、企業や自治会、ＮＰＯなどが連携するためのコーディネーター養成と体制整備、モデル事業、実態調査に使えます。

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