沖縄・辺野古での基地建設をめぐる県民投票で、「反対」が４３万４２７３票に達し、全体の７２．１５％を占めました。投票資格者の総数の４分の１を超えたことから、条例に基づき、玉城デニー知事はこの結果を、総理大臣と米大統領に通知。沖縄県民の異議が改めて日米両政府に申し立てられる形になります。一部の自治体が実施しない意向を示し、一時は全県実施が危ぶまれましたが、最終的に選択肢を増やすことで全県での投票にこぎつけました。辺野古新基地建設に対する沖縄の人々の反対の意思は、これまでの選挙でも示されてきましたが、より明確になったと言えます。
　沖縄には現在、日米安保条約に基づく日米地位協定によって米軍が管理・使用する日本国内の基地（専用施設）の、面積にして７割が集中しています。１９９５年、沖縄で３人のアメリカ兵が小学生の少女を拉致し、暴行する事件が起こりました。人々の悲憤は基地の縮小を求める声として高まります。日米両政府は翌年、宜野湾市の中心にある「海兵隊普天間飛行場」の全面返還に合意。ただし、代わりとなる軍用滑走路を県内に建設することが条件でした。
　曲折の末、２０１３年、当時の仲井真弘多知事は国の埋め立て申請を承認。しかし県民の反対は根強く、その後の知事選で仲井真氏を破った翁長雄志知事は昨年、埋め立て承認の撤回を表明。翁長氏の死去後の知事選で勝利した玉城知事も基地建設に強く反対しています。
　沖縄には、極東最大級の米空軍の嘉手納基地をはじめ数多くの米軍基地がありますが、問題になっているのは海兵隊の基地建設です。沖縄の海兵隊部隊は縮小の方針であり、また駐留地が沖縄である必要はなく「本土」などに移転することもできる、という指摘もあります。
　日米安保体制の負担を沖縄に集中的に押しつけている現実にどう向き合うのか。沖縄の人々の意思表明を受けて、「本土」に住む人々、日本人全体が、この問題への考え方を問われています。

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