「転勤」は、会社員にとって身近なものです。
　独立行政法人「労働政策研究・研修機構」が厚生労働省の求めで実施した調査（２０１６年）によると、約６割の会社に転勤があります。目的は「人材育成」「処遇・適材適所」「人事ローテーション」などです。
　ただ、社員にも大きな影響を及ぼします。転勤について配慮を求める社員の要望をみていくと、「親らの介護」「出産・育児」「子の就学・受験」「結婚」「共働き」など、家庭の事情がさまざまに並びます。
　化学メーカーで、育児休業から復帰して２日目の男性社員が転勤を命じられ退職したケースは、ＳＮＳ上で大きな論争に発展しました。実際、調査によると、約２割の会社が、過去３年のうちに転勤を理由に離職した男性社員がいたと答えています。女性は１割弱の会社にいました。
　会社側も対応を模索しています。勤務地を限定した社員制度や転勤の免除制度など、社員のニーズをくみ取る努力は続けています。ただ、実際には専業主婦家庭や未婚者の転勤が目立っています。根本の意味から考える時期ではないでしょうか。

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