南果歩さん/どん底からV字回復 心のしなやかさは右肩上がり

インタビュー・女優 南果歩さん (3)

2017.11.08
南果歩インタビュー

 あれから数カ月。しかし、どん底まで落ちたという南さんは、今はハツラツとした、はじけるような笑顔で私たちの前に帰ってきた。何かすべてをそぎ落としたような軽やかさがその姿からは感じられる。どうしてこんなふうにいられるのだろうか。


自分の人生を見つめ直すチャンスをもらった

 それはきっと、自分の人生を見つめ直すチャンスをもらっているからだと思います。たぶんはたから見ると、気の毒だとか可哀想だとか思われているかもしれないけれど、でも私の気持ちとしてはそうではなくて、こういう局面だからこそ、今まで考えないで済ませていたことを見つめ直そうというエネルギーが湧いてきている。なので、このチャンスを生かさなかったらもったいないと思うんですね。

 女友達の支えも大きかったです。本当にダメージを受けていたとき、弱っている私を助けてくれたのは、女友達でした。彼女たちのお陰でまた人生が豊かになった。これには感謝ですね。

 病気をして、命はバトンリレーだということも痛感しました。それは親から子へとつなぐ血縁のリレーという意味だけでなく、今までの乳がん患者の方々の治療やデータが、今の私たちの治療につながっている。そして私の症例がどなたかの役に立って命をつなぐこともあるかもしれないという、その意味でのリレーでもあります。ですから、自分が知っている人間、近しい人間との関わりだけではなく、広い世の中との関わりにも目が開かれるようになりました。私の病気への向かい方はお手本にはならないけれども、一つの症例としてお役に立つかもしれない。ならばできるだけ自分の闘病体験も明かしていこうと。

 人間、五十数年生きていれば、体力的には緩やかに右肩下がりになってくるし、メンタル面でもそうそう強気一本ではいかなくなってくる。でも、さまざまなことをのみこんだ心のしなやかさというのは、年齢とともに右肩上がりになっていくんですよね。そのバランスをうまく保っていくことが、やはり自分らしさを保つことにつながるんじゃないかと思います。

 もうね、自分に必要なもの、必要でないものの判断ははっきりつく年齢ですから、必要でないものに時間をとられたり、エネルギーを使ったりしている場合じゃない。好きなこと、やりたいことからやっていく。若いときだったら、義理もはらむし、人間関係も気になって断りにくいということもあったと思いますが、今はもうそんなことは言っていられない(笑)。やりたいことからやり、食べたいものから食べる。シンプルにものごとを捉えたいなと思っていますね。「この人どうなるんだ?」って心配してくださる方がいっぱいいるんですけれども、私は大丈夫です。今日が人生最悪の日であっても、次の日はそこから2番目になる。3日経ったら3番目になる。これ以上悪いことは起きないと思っていますから。あとはV字回復のみです。

 自分の努力だけではどうにもならないことを十二分に経験したので、ここからの私はもっと面白い。ここからが南果歩、絶対面白くなりますから、皆さん、期待していてくださいね。


南 果歩(みなみ・かほ) 1964年生まれ。84年に映画「伽倻子のために」の主役でデビュー。映画、テレビ、舞台などで活躍。2015年には映画「マスタレス」で全米デビュー。最近ではドラマ「定年女子」で主演。待機作に映画「Oh Lucy! 」(2018年公開予定)。オフィシャルウェブサイト http://www.kaho-minami.com/

文/志賀佳織 写真/松永卓也(朝日新聞出版・写真部)
スタイリスト/中井綾子(crêpe) ヘア&メイク/黒田啓蔵

 本記事は、『ゆとりら』秋冬号の巻頭インタビュー「南果歩 今日が人生最悪なら、明日はもっと良くなる」から抜粋しています。


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