<連載> ギミック・ジャケットの世界

真四角って誰が決めた!? 何でもありの変型ジャケット 

植村和紀のギミック・ジャケットの世界(6)=最終回

2017.12.08

 仕掛けのあるレコードジャケットを紹介する「ギミック・ジャケットの世界」も6回目。ついに最終回となりました。一目瞭然で最も分かりやすい変型ジャケを10点紹介します。

 変型といっても様々なバリエーションがあります。見る人を楽しませるだけでなく、思わず所有したくなる独特の魅力にあふれています。印刷的にはそれぞれ固有の型抜き加工を施すので経費がかかりますが、アナログLPならではの大きさを生かした変型ものはギミックの王道です。他のものと同様に、いずれも初回限定盤です。

トランプ・ジャケ
 THE POWER AND THE GLORY / GENTLE GIANT (CAPITOL 1974)

トランプ

 英国プログレ・バンド、ジェントル・ジャイアントの6作目の米国盤。トランプ・カードを模した変型ジャケット。内袋もトランプ仕様になっています。

タコ瓶ジャケ
  OCTOPUS / GENTLE GIANT (COLUMBIA 1973)

タコ入り瓶

 英国プログレ・バンド、ジェントル・ジャイアントの4作目。英国オリジナル盤はロジャー・ディーンによるイラスト・ジャケットですが、この米国盤のみが特殊なタコ瓶仕様となっています。

ラジオ・ジャケ
 CLOSE TO HOME / ALABAMA (SMILE 1973)

木製ラジオ

 米国南部の音楽を志向するカナダ・バンドのデビュー作。同じカナダ出身の先輩格であるザ・バンド(レヴォン・ヘルム以外)のような音楽性と古き良き時代のラジオとが見事にマッチしています。 

タブロイド紙ジャケ
 6 SQUEEZE SONGS / SQUEEZE (A&M 1979)

握ったタブロイド紙

 今も現役の英国ポップ・バンド、スクイーズ唯一の10インチ編集盤。タブロイド紙を絞り込むように持つ両手が妙にリアルな作りになっています。

左右対称ジャケ
 A WIZARD, A TRUE STAR / TODD RUNDGREN (BEARSVILLE 1973)

開くと左右対称

 奇才トッド・ラングレンの4作目。バック・カバーはフロントの正反対、インナーも左右対称の図版。シンメトリー・ジャケットの最高峰といえます。

左右対称ジャケの裏側

銀貨ジャケ
 E PLURIBUS FUNK / GRAND FUNK RAILROAD (CAPITOL 1972)

銀色コイン

 19727月に初来日して嵐の中での熱演が話題になったグランド・ファンク・レイルロード(GFR)の6作目。表・裏面とも銀貨を模して、凹凸感のあるエンボス加工を施したリアルなもので、LPならではの迫力あるものになっています。

車輪ジャケ
  THE BIG EXPRESS / XTC (VIRGIN 1984)

車輪の中から

 英国ポップの至宝、アンディ・パートリッジが率いたXTC7作目。蒸気機関車の車輪を模した円形ジャケ。封入のインナーも円形です。日本盤では、日本語ライナーノーツも円形になっています。

アース・ジャケ
 AT LAST / MICK ABRAHAMS BAND (CHRYSALIS 1972)

円を開き始めると

 ジェスロ・タルの初代ギタリスト、ミック・アブラハムが率いたバンドの2作目。円形ジャケで、4面に見開くと現れる中面は地球のマントルを描いたものでしょうか?

四方に展開

元祖円形ジャケ
 OGDENS’ NUT GONE FLAKE (IMMEDIATE 1968)

開くと二重円に

 スモール・フェイセスの5作目。3面見開きの円形インナーを封入し、表と裏で10種の図版が楽しめます。円形ジャケの元祖ともいえる傑作です。

二重円の裏側も

標識ジャケ
 STOP / THE ERIC BURDON BAND (CAPITOL 1975)

八角形の標識も開く

 1968年の2回目の来日では突然の帰国事件で話題となったアニマルズのボーカリスト、エリック・バードンが率いたバンドの2作目。道路標識を模した八角形ジャケ。見開くとエリックが出現します!

標識ジャケの裏面

●筆者プロフィル 植村 和紀(うえむら・かずのり)

 1953年、千葉県生まれ。大学卒業後、オリジナル・コンフィデンス社に入社。93年に東芝EMIに入社し、邦楽・洋楽の宣伝・制作、デザイン部で編集担当。現在はフリーの収集家として活動中。ミュージックジャケットギャラリー(https://www.kinyosha.co.jp/mjg/)の雑誌版を月刊『ステレオ』(音楽之友社刊)に連載中。著書に『洋楽日本盤のレコード・デザイン』(グラフィック社刊)。

  • この連載について / ギミック・ジャケットの世界

    昔懐かしい黒いレコード盤には、ジャケット自体を楽しめる仕掛けが付いた「ギミック・ジャケット」が存在します。国内有数のレコード収集家の貴重なコレクションを紹介。動画も交え、知られざる世界を解説します。

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