住民らで「緑の会」弾む会話
昨秋植えたパンジーの苗は、年明けの大雪にも負けず、色とりどりの花を咲かせた。バス停近くのユスラウメは花が咲きこぼれ、道行く人が褒めていく。ヒヨドリやツグミ、ムクドリなどの鳥たちも訪れる。横浜市の佐藤毅さん(76)が暮らすマンションでは、いつも敷地内のどこかで花が咲いている。ユキヤナギやクリスマスローズ、シランなど、少し歩くだけで春の訪れを感じられる。アジサイの葉の緑色も鮮やかだ。それを支えるのが、住民ボランティアの「緑の会」だ。

1990年にマンションが建ち、約80世帯が入居する。96年、管理組合の理事会で「樹木はたくさんあるけど、花がないから植えたらどうだろう」と提案があったのがきっかけで、有志が緑の会を結成したという。
3代目会長の松岡俊策さん(74)は、どこに何が植えられているのかを示す「植栽図」を自ら描き、住民にコピーを配った。コンセプトは「365日、花を絶やさないこと」だ。ひいてはマンションの資産価値の維持につながり、住民同士の交流が生まれて防犯にも役立つと考える。若菜佑さん(80)は、草花に囲まれた住環境に引かれて10年ほど前に引っ越してきた。会に加わり、毎日、敷地内と近くの公園を掃除している。
緑の会は、マンション管理組合の予算で木や花を買っているものの、実際に植えたり育てたりするのは業者任せではなく住民たち。木や花の名前が分かるように名札を付けたり、落ち葉を集めて堆肥(たいひ)を作る場所を設けたり。水やりをしやすいように水栓も増やした。春と秋に花を植える時には、作業日の案内を掲示板に張り出し、緑の会の会員以外も参加できる。
日頃から「エンドウマメの花が咲きそう」「実がなりそう」などと会話が生まれ、住民同士がコミュニケーションをとるきっかけになっているそうだ。佐藤さんは「草花を育てることで共通の話題が弾むメリットがある」と話す。
「野菜友達」と楽しく味比べ
約20年前から、夏にゴーヤのグリーンカーテンを作っています。自宅の庭に幅6mにわたって種や苗を植えると、10m近い高さに。真夏は気温が40度近くなるのが涼しくなり、省エネになっています。ゴーヤの実を楽しめますし、目に鮮やかな緑が気持ち良く、香りにも癒やされます。
夏野菜も育てています。ご近所の「野菜友達」と、「家によって味が違うかもしれないから」などと交換するのも楽しみです。
香川県 柏一子さん(76)
掃除しやすく 工夫凝らす
マンションの17階に住んでいます。ベランダの限られたスペースですが、育てている草花にアゲハチョウなどが訪れます。花や実を付けてくれるとうれしいですし、季節を感じられるように何を植えようかと考えるのも楽しいです。
周囲の迷惑にならないように、花びらが飛びにくい品種を選んでいます。レモンとキンカンの木はキャスター付きのプランターに植えて、動かして掃除しやすいようにするなどの工夫もしています。
愛知県 大島真輝さん(53)
サッカー場の芝生に憧れて
家の周りを緑で飾ることができる楽しさや、草花を育てる喜びを感じています。もう少しで会社を退職するので、技術を磨いて色々な花を咲かせてみたいと考えています。今は真夏が「空白地帯」。一年中花を咲かせてみたいです。
芝生のある庭に憧れて芝生を植えるのですが、日当たりが悪いこともあってすぐに枯れてしまいます。サッカー場のような「緑」にしたくて、品種を変えるなど、試行錯誤を続けています。
山梨県 水上弘純さん(64)
アンケート「庭やベランダで草花を育てる魅力は?」に寄せられた回答は「日本の四季に感謝 子育てより楽しい?土いじり」にも掲載しています。
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