朝日新聞Reライフプロジェクトは3月1日、近年研究が進む腸内環境と全身の関係を学ぶセミナーを「朝日新聞Reライフフェスティバル」で開催。87歳の現在も舞台やテレビで活躍する大村崑さんと、帝京平成大学教授で消化器内科医の松井輝明さんが登壇しました。最初に松井さんが講演し、最新の知見を紹介。特に研究が進む腸内細菌から話を進めました。その一部を採録します。
最近よく耳にするようになった「腸内フローラ」。おもに大腸と便の中に生息する腸内細菌の集合体のことだ。「これまで腸内細菌は100種類、100兆個と言われていたが、最近は千種類、1千兆個以上あると考えられている。ヒト1人の細胞は60兆個なので、いかに腸内細菌が多いかがわかる。私たち一人ひとりが腸内細菌を『飼っている』といっても過言ではない。そして、誰一人同じ腸内フローラはない。指紋と一緒なんです」
松井さんは、「善玉菌」と「悪玉菌」についてあらためて解説。腸内細菌は大別するとビフィズス菌、乳酸菌などの「善玉菌」とウェルシュ菌などの「悪玉菌」、その他の「日和見菌」がある。一般に、善玉菌は年齢とともに減少し、高齢になるほど悪玉菌や日和見菌の割合が増えることを紹介した。
最近は善玉菌の中にも有害な作用のある菌種の存在が疑われ、悪玉菌の中にも有用なものがあることがわかってきた。「大事なのは菌の多様性。善玉菌を減らさないことも大切だが、多くの菌種が生息していることが望ましい。そのために偏った食事だけはさけてください」と話した。
◇
松井 輝明(まつい・てるあき)帝京平成大学教授
日本大学医学部卒業。医学博士。日本大学板橋病院消化器外来医長、日本大学医学部准教授を経て現在、帝京平成大学健康メディカル学部健康栄養学科 健康科学研究科 健康栄養学専攻長 教授。厚生労働省薬事食品衛生審議会専門委員、内閣府食品安全委員会専門委員、日本消化器病学会評議員、日本実験潰瘍学会評議員、日本高齢消化器病学会理事、日本消化吸収学会理事など歴任。消化器一般、機能性食品の臨床応用を専門に研究。
◇
本記事は、2019年3月1日に行われた「朝日新聞Reライフフェスティバル」内のセミナー「大村崑さんと学ぶ健康”腸”寿」の講演やトークショーの一部を掲載したものです。セミナーには、87歳の現在も舞台やテレビで活躍する大村崑さんと、帝京平成大学教授で消化器内科医の松井輝明さんが登壇し、近年研究が進む腸内環境と全身の健康の関係を学びました。
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