便秘は女性に多いのが特徴です。2013年の国民生活基礎調査では、便秘の症状を訴える人の割合は、女性で人口千人に対して48・7人、男性は26・0人でした。男女とも年齢が上がるにつれて増える傾向にあり、65歳以上になると女性89・3人、男性75・6人でした。
女性に便秘が多い理由として、女性ホルモンの一つである黄体ホルモンの影響が考えられます。黄体ホルモンは便の内容物の水分を吸収しやすくする作用があると考えられ、便が硬くなり排便しにくくなります。さらに、いきむ際に必要な腹筋などの筋力が弱い、外出先でトイレを使うことを嫌がる人も多く、我慢しているうちに便意を失ってしまう――といったことも関係していると考えられます。
年齢を重ねると、腸の機能も衰えます。腸の弾力性が失われ、伸びきったゴムホースのようになってしまいます。そうすると、腸内で便を移動させ、便意を起こさせるといった排便機能が低下します。いきむ力の低下も重なって、高齢になると便秘を訴える人が多くなるのです。
「下剤を飲めばいい」と思われるかもしれません。ですが、安易に頼ると、下剤がないと排便できない「下剤依存」に陥りかねません。まずは生活習慣と食生活を見直してみましょう。
(2014年11月30日付け朝日新聞朝刊「Reライフ面」から)
◇
松生(まついけ)恒夫 松生クリニック(東京都立川市)院長。消化器系の専門医として4万件を超える大腸内視鏡検査を実施してきた。クリニックで予約制の便秘外来を開設。
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この連載について / お通じスッキリ
消化器系の専門医として4万件を超える大腸内視鏡検査を実施してきた松生恒夫さんが、腸の健康を保つコツや便秘の予防法を伝授します。
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