運動不足や加齢に伴って筋力が低下することも、便秘の一因です。寝たきりになると便秘がちになるのもそのためと考えられます。1日30分程度のウォーキングなど、日頃から適度な運動が必要です。
体を温めるため、入浴時は半身浴をおすすめします。熱いお湯に長時間つかると心肺機能に負担がかかるため、ぬるめのお湯に腰まで20分程度つかってください。
また、おなかが張っている場合は、腸をリラックスさせてガス抜きを促すマッサージを試す方法もあります。もともと、大腸内視鏡検査の際に腸内に送り込んだ空気を抜くために考案しましたが、腸内にたまったガスを出すのにも応用できると思います。
右半身を下にして横になります。深呼吸をしながら、おへその周りを円を描くように時計回りにマッサージします。おなかに力を入れたり強くもんだりせず、やさしくなでるようにします。
おなかが張って苦しいからと、市販の下剤で排便を促す方もいます。市販の下剤の多くは、センナや大黄(だいおう)、アロエなどを主成分とした刺激性のものです。規定の量を守って飲むにはよいのですが、規定の量を超えて飲み続けると、腸管が伸びきって腸の運動を低下させてしまいます。下剤を使う前に、食事や生活習慣を見直してみてください。
便秘は強い不快感を伴うだけでなく、背後にほかの病気が隠れている可能性もあります。1週間以上排便がない▽排便時に出血を伴う▽下剤を規定量以上飲んでいる▽これまで便秘ではなかったのに急に便秘になって1カ月以上改善しない――といった場合は医師に相談してください。
(2014年12月14日付け朝日新聞朝刊「Reライフ面」)
◇
松生(まついけ)恒夫 松生クリニック(東京都立川市)院長。消化器系の専門医として4万件を超える大腸内視鏡検査を実施してきた。クリニックで予約制の便秘外来を開設。
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この連載について / お通じスッキリ
消化器系の専門医として4万件を超える大腸内視鏡検査を実施してきた松生恒夫さんが、腸の健康を保つコツや便秘の予防法を伝授します。
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