大阪市立大や東京大などの研究チームが23日、肥満に関連する腸内細菌をワクチン注射で減らしたところ、高脂肪食を与えたマウスの体重増加を抑えられたと発表した。食べても太りにくい「肥満ワクチン」につながる可能性があるという。米消化器病学会誌に掲載された。
チームは、肥満や糖尿病との関連が報告されている腸内細菌(クロストリジウム・ラモーサム)に注目。腸の粘膜で免疫を活性化させるワクチンをつくった。

実験では、無菌マウスにヒトの肥満患者の腸内細菌を移植し、高カロリーのえさを与えた。ワクチンを注射したマウス9匹は、腸内細菌がふんとして排出されて減り、ワクチンを注射しないマウス7匹と比べて、体重増加が約12%抑制された。
腸内細菌が減少したマウスの体内では、小腸などで体内にブドウ糖を吸収するはたらきが活発化せず、肥満や糖尿病を抑える効果が期待できるという。
大阪市立大の植松智(さとし)教授(ゲノム免疫学)は「これまでと全く異なる新しいタイプのワクチンができた。特定の腸内細菌を減らすことで、将来的に食べても太りにくい肥満ワクチンにつながる可能性がある」と話している。
(田中誠士)
(2019年8月23日付け朝日新聞デジタル「アピタル」から)
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世界各国で次々と明らかにされる「腸内フローラ」の可能性。朝日新聞の医療・健康関連記事を集めたサイト「apital(アピタル)」から、最新トピックスを紹介します。
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