アスリートの便を腸に移植すると、自らの運動能力を高められるかもしれない。そんな研究成果を米研究チームが科学誌ネイチャー・メディスンに報告した。
人の腸内には約1千種類、40兆個の細菌がいるとされる。細菌が腸内で作る群れは「腸内細菌叢(そう)(腸内フローラ)」と呼ばれ、健康状態や病気の発症に関連していることが分かってきた。潰瘍(かいよう)性大腸炎など、病気の治療に生かそうと、健康な人の便から抽出した腸内細菌を移植する「糞便(ふんべん)移植」の臨床研究も始まっている。
米ハーバードメディカルスクールのチームは今回、ボストンマラソンに出場した走者15人と、仕事で座っていることが多い10人の腸内細菌を比較。ランナーにはベイロネラ属の菌が多く、マラソン後に増えていた。
この菌をマウスの腸に移植すると、移植していないマウスより13%長く走れた。チームは、運動によって筋肉に発生した乳酸を菌が脂肪酸に変え、この脂肪酸が持久力を向上させたとみて、フローラが運動能力に重要な役割を果たすとしている。
(月舘彩子)
(2019年11月14日付け朝日新聞デジタル「アピタル」から)
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世界各国で次々と明らかにされる「腸内フローラ」の可能性。朝日新聞の医療・健康関連記事を集めたサイト「apital(アピタル)」から、最新トピックスを紹介します。
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