<連載> アピタル・トピックス

加齢による便秘、早期治療で断薬も可能

健康医療フォーラム2019 パネルディスカッション

2019.12.13

 「朝日 健康・医療フォーラム2019」が23日、東京都千代田区のJPタワーホール&カンファレンスで開かれ、便秘の治療と予防などについて専門家が解説しました。当日の様子を、3回に分けて紹介します。今回は中島淳さん(横浜市立大学医学部肝胆膵消化器病学教室主任教授)と鳥居明さん(鳥居内科クリニック院長)によるパネルディスカッションの模様です。

 ――便秘と大腸がんの関係が気になる方もいると思います。

 中島 便秘の方が大腸がんになるというのはあまり心配しなくてもいいです。ただ、大腸がんの場合に便秘や下痢になることはあります。今までまったく便通に異常がない方や、便秘の方で症状が悪化したという場合は医療機関にかかってほしいです。

 ――病院選びはどのようにしたらいいでしょうか。

 鳥居 どこに行けばいいかわからない場合はまず、消化器内科がいいです。便秘を専門にしている医師もいます。「便秘 内科」をキーワードにネットで調べてはどうでしょうか。

 ――「50年便秘で悩んでいる」という人もいます。

 中島 私のところには全国の医療機関を渡り歩いて来る方も多いです。長期間、自己流や不適切な治療をしている方は非常に大変で、治せたとしても薬をやめることは難しい。加齢に伴う便秘は早い段階で適切な治療を受け、食生活や生活習慣の改善で薬をやめることができる場合もあります。できるだけ早く来てほしいと思います。

 ――市販薬も色々とあります。

 鳥居 まず、完全に治すというよりはうまく付き合っていくという心構えがいいでしょう。市販薬の中には、夜にのんで朝に排便するというような刺激性下剤と、便を軟らかくする緩下剤があります。薬剤師のいるかかりつけの薬局を決め、そこで相談して選ぶのがいいと思います。

 ――お通じ手帳の話もでました。それがない場合は。

 鳥居 日記をつけている場合、そこにお通じのことを加えるのも一つです。また、スマホのアプリもあります。排便の有無と回数、便の形状を記録する。出ない日があっても、次の日に出ればいいやという気持ちで。

 ――朝起きて水を飲むといいという話も聞きます。

 鳥居 朝にコップ1杯の水を飲むと排便にいい。食べ物でなく水でも、胃結腸反射というものが起きて、腸が動き始めてくれます。

(コーディネーター 朝日新聞アピタル編集部・鈴木彩子)

中島 敦(なかじま・あつし) 横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵(かんたんすい)消化器病学教室主任教授。ハーバード大客員准教授を経て、2014年から現職。消化器や便秘改善の専門家として、メディアにも多数登場。

鳥居 明(とりい・あきら) 鳥居内科クリニック院長。東京慈恵会医科大助教授などを経て現職。現在、東京都医師会理事。日本消化器病学会専門医。

2019年3月4日付け朝日新聞デジタル「アピタル」から

  • この連載について / アピタル・トピックス

    世界各国で次々と明らかにされる「腸内フローラ」の可能性。朝日新聞の医療・健康関連記事を集めたサイト「apital(アピタル)」から、最新トピックスを紹介します。

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