親孝行、再び夫婦、一人を楽しむ…「大人旅」のキーワード

歩んできた人生が重なる 若い頃との変化も楽しむ

2020.01.30

 子育てを終え、仕事を引退した後は、夫婦と仲間と、あるいは一人で、「自分のため」の旅をしたい。スタイルも、あちらもこちらも欲張る旅から、じっくり自分が好きなことを深掘りする旅へ。朝日新聞Reライフプロジェクトが実施したアンケートや座談会では、年を重ね、旅の楽しみ方を変化させながら楽しむ読者の皆さんの姿が浮かんできた。

 プロジェクトは、昨年10月にアンケートを実施。「若い頃と旅が変化した」と感じている人は6割を超えた=下グラフ。メンバーが感じた「変化」は、(1)カラダの衰え、(2)家族構成の変化、(3)自由時間が増えた、の三つのようだ。

旅についてのアンケート

 その後、東京と大阪で読者会議メンバー19人を招いて計4回、座談会を開いた。座談会でも、衰えを感じつつ「元気なうちに楽しみたい」という声が相次いだ。「70歳を過ぎたら海外は厳しくなる。ヨーロッパは、体力がある今のうちに行く」という声や、「観光に支障がでないよう、行きは直行便を選ぶ」「時差が少ない地域を選ぶ」と具体的な工夫を語る人もいた。

「自分のため」の旅へ

 家族構成の変化とともに、旅の相手も変化するようだ。「自分が何をしたいかではなく、子どもが喜ぶことが中心だった。最近は、友達と自分が行きたいところに行くことが増えた」(大阪府・西川容子さん)、「子どもに手がかからなくなったので、最近は夫と日帰り旅行やバスツアーに行く」(大阪府・塩田ひとみさん)。

 兵庫県の竹原茂雄さんは、最近、一人でツアーに参加するようになった。「以前は妻と国内も海外も行った。70歳を過ぎたあたりから、お互いに縛られず、好きなところへ行こう」という流れになったという。

座談会で見えた大人旅3つのキーワード

人との出会いも楽しみ

 ツアー参加者や添乗員、地元の人たちとの出会いも楽しみとなっている。大阪府の寺井由美子さんは古戦場をめぐるツアーで「歴史に詳しい参加者が多く、年齢も近い人が多く仲良くなって楽しかった」という。東京都の河合邦子さんは、「年を重ねたら、親切に声をかけてもらえることが増えた」と笑顔で話す。「うちに遊びにおいで」と地元の人に誘われたり、国宝の寺を一人で鑑賞させてもらったうえ住職に駅まで送ってもらったりした経験もあるという。

家族の絆を確かめる

 「自分旅」を楽しむだけでなく、家族の絆を確かめたり、独立した子どもたちと触れあったりする時間も大切にしているようだ。

 「新婚旅行で出かけた九州にもう一度行った」のは兵庫県の後野民子さん。西川さんも「子どもが独立したら、もう一度、新婚旅行のヨーロッパへ行きたい」と話した。

座談会で見えた旅を楽しむためのコツ

介護と旅のはざまで

 介護と旅のはざまで揺れるメンバーも多かった。東京都の五十嵐幹雄さんは、要介護3の母を連れて旅に出るのは難しいと感じている。「できればお袋が生まれた場所にもう一度連れて行ってあげたかった」。

 一方、自分も夫も旅好きという神奈川県の保坂恵子さん。親の介護のために遠ざかった時期もあったが、年に一度、夫婦旅行を続ける。「元気なうちはヨーロッパ」と決め、1週間ほど出かける。留守の間は、親族に介護施設の緊急連絡先となってもらう。「行けるうちに親孝行旅行へ」と話す人も目立った。

関連記事

あわせて読みたい

おすすめ記事

PAGE TOP