50代の平均貯蓄額とは?老後資金をためるためのポイント

人生100年時代を生きるキーワード・貯蓄

2020.03.16
50代 貯蓄イメージ

 金融庁が、老後の蓄えとして、公的年金以外に2,000万円が必要とする試算を作成したことが話題になるなど、老後のお金は注目を集めているテーマの1つです。

 50代は教育費や住宅ローンなど支出が多い時期でもありますが、この時期に少しでも多く蓄えを作ることが定年後の生活にゆとりを持たせられるとも考えられます。それでは、50代のうちにどの程度貯蓄があれば、老後の生活にゆとりが持てるのでしょうか?老後に必要となる資金をためるポイントについても併せて解説していきます。

<目次>

50代の平均貯蓄額は約1,574万円、中央値は約1,000万円

 金融広報中央委員会(知るぽると)が2019年におこなった「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、50代の平均貯蓄額(金融資産を保有している世帯のみ)は約1,574万円です。貯蓄とは、貯金を含めた金融資産の総称です。平均値は、少数の高額資産を持つ世帯が金額を引き上げてしまうため、中央値を参考にしてみましょう。中央値とは、調査対象となった世帯を資産額順に並べたときに真ん中に位置する値を指します。

 同調査では、中央値は1,000万円と公表されています。つまり、50代における二人以上の世帯の資産は、一般的には1,000万円ほどということになります。ご自身の貯蓄額と比べてみてどうでしょうか。今後の貯蓄プランを立てるための指標の1つにしてみましょう。

50代からの貯蓄のポイントは?

 老後資金は無理をしない金額で長くため続けるのがポイントです。まずは無理なくためていける金額を把握しましょう。

今後の収入や支出の見込みと無理のない貯蓄額を計算する

 今の生活費をまずは把握し、今後の大きなお金の出入りの予定を書き出してみましょう。考えられる大きなお金は支出だったら住宅ローンの返済・子どもの教育費・親の介護費など、収入であれば自分や配偶者の退職金が考えられます。ローンや教育費の支払いがある期間に無理なくためられそうな額と、支払いがなくなったあとにためられそうな額を計算し、退職までにためられそうな金額をまずは計算してみましょう。

目標の貯蓄額を決める

 無理なくためられる額が把握できたら、受給予定の年金額を調べましょう。公的年金であれば「ねんきん定期便」で確認し、個人で加入している年金とあわせて定年後の収入を計算します。自分が必要だと思っている生活費と比べて足りない金額との差額を貯蓄で埋めることになります。その金額が目標の貯蓄金額になります。

貯蓄の目標金額から、生活費を見直そう

 目標の貯蓄額が大体決まったら、無理なくためられる貯蓄額との差を埋めるために生活費で見直せるところを考えてみましょう。
生活費には「固定費」と「変動費」があります。
固定費は一度見直すと節約を継続できるので、中長期的に大きな削減につながります。固定費の節約から取り組んでみましょう。

固定費の見直し

 住宅ローンがある場合、繰り上げ返済を検討してみましょう。毎月の支払い以外に資金に余裕があるときに一部残高の支払いにあて、残りのローンを減らすことができます。多くの場合、ローンの借入金が減ることで支払う利息が減るため、最終的な支払いを減らすことができ、また返済期間を短くすることができます。

 車を所有している人はその必要性を考えてみましょう。昨今はカーシェアもさまざまなタイプがあり、より借りやすくなっています。スマホで24時間手配可能なサービスや月替わりに好きな車を借りられるサービスなど、車を乗る頻度とあわせて見直すことで、維持費を削減できるかもしれません。あるいは必要な時にレンタカーを借りるという選択肢もありえるでしょう。

貯蓄方法や副業の検討も

 支出以外でも貯蓄を増やす方法を考えてみましょう。

 もともと積立貯金をしている場合はiDeCo (個人型確定拠出年金)の利用を検討してみてもいいでしょう。企業型の確定拠出年金制度がある企業の人も加入できるようになる予定で、加入対象が拡大しています。iDeCoの最大のメリットは掛け金が全額課税対象外となることです。そのため、翌年度の所得税と住民税が軽減されます。貯蓄をしながら節税できます。

 また、副業が解禁されている企業にお勤めの場合、副業を始めるのもよいでしょう。最近は様々な紹介サービスがあり、経理やライター、イラスト作成など、自分が好きなことやスキルを生かせる仕事が見つかるかもしれません。定年後も継続できる可能性もありますし、年金の足しにもなります。

 その他の生活費について

 「老後の生活費はどれくらい?知っておきたい生活費の見直しポイント

専門家への相談も選択肢の一つ

 自分で貯蓄を増やす自信がない方や家計の見直しなど迷われている方などは、無料の相談会に足を運んでみてはいかがでしょうか。日本FP協会や銀行などでは、定期的に無料で相談会を実施しており、中には個別の相談にのってくれるものもあります。特定の商品をお勧めされないように、複数の銀行の相談会に参加して様々な意見を聞いてみるのもよいでしょう。

 専門家であるファイナンシャルプランナーは自分の家計に合った目標貯蓄額や、毎月の貯蓄額の設定など、お金をためるためのプランを考えてくれます。費用はかかりますが、一度自分の家計をみてもらい、節約ポイントや家計の見直しのポイントなどをプロから教えてもらうのもよいかもしれません。

老後の生活に備えて、無理のない貯蓄をはじめよう

 老後の資金の準備は早くから始めるにこしたことはありませんが、50代から考えても十分に老後の準備ができることでしょう。自分の生活や家計を見直し、無理なく、できる範囲でコツコツと貯蓄していきたいですね。いざ老後の生活を迎えたときに慌てないためにも、まずは目標貯蓄額を設定するところから始めてみてはいかがでしょうか。

(取材・文 青山 浩子)

  • 深野康彦
  • 深野 康彦(ふかの・やすひこ)

    有限会社ファイナンシャルリサーチ代表

    大学卒業後、クレジット会社を経て独立系FP会社に入社。金融資産運用設計を研鑽(けんさん)して1996年に独立。現在のファイナンシャルリサーチは2006年に設立(起業2社目)。さまざまなメディアやセミナーを通じて、資産運用のほか、住宅ローンや生命保険、あるいは税金や年金などのお金周り全般についての相談業務や啓蒙(けいもう)を幅広く行っている。

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