腸活のための運動をご紹介 五つのエクササイズでおなかの悩みをスッキリ改善

人生100年時代を生きるキーワード・腸活

2020.03.23
腸活運動イメージ

 便秘や下痢など便の悩みを抱えていませんか? なかなか人に相談できず困っている方もいるかもしれません。便の悩みだけでなく、腹部の張りがとれなかったり、おならが止まらなかったりする時は、腸内環境のバランスに問題があるのかもしれません。
 今回は、そんな方のために「腸活のための運動」をご紹介します。運動といっても激しく身体を動かすわけではなく、誰にでもできるかんたんな五つのエクササイズです。おなかの調子が悪い状態が続いたら、ぜひチャレンジしてみてください。

<目次>

そもそも腸活って何?

 「腸活」とは、腸内環境を健康な状態にすることです。腸が健康な状態になると、便の悩みが解消されるだけでなく、私たちの健康にとってさまざまな効果があるといわれています。

腸活をすることによって、以下のようなメリットがあります。

  • ・健康的な便の状態になる
  • ・風邪やアレルギーの予防になる
  • ・美肌になる
  • ・口臭が抑えられる
  • ・メンタルが健やかに保たれる

健康的な便の状態になる

 腸活をすることで、私たちの健康を維持してくれる腸内細菌である善玉菌が優勢になり、健康的な便になります。善玉菌が優勢になると、腸内の有害物質が発生しにくくなり、便やおならの臭いが軽減します。

風邪やアレルギーの予防になる

 免疫細胞の約7割は腸内に生息しています。そのため腸活により腸内環境を正常に保つことは、免疫力を高め、風邪やアレルギー症状を予防することにつながるのです。

美肌になる

 腸内環境が悪化し、私たちの体に悪い影響を及ぼす悪玉菌が優勢になると、生成された有害物質が原因で吹き出物ができたり、肌荒れが起きたりします。反対に、腸活により善玉菌が優勢になることで、有害物質の発生が抑えられ、肌の健康が保たれて美肌になるのです。

口臭が抑えられる

 気になる口臭も、腸活によって改善できることがあります。腸内環境のバランス悪化は、不快なにおいのガスを発生させ、これが口臭の原因にもなるのです。口臭が気になる方は、腸活を試してみてください。

メンタルが健やかに保たれる

 人間の精神状態を健やかに保つ脳内ホルモンであるセロトニンは、80%が腸内で生成されています。そのため、腸活はメンタルヘルスを健やかに保つことに関係があるといえるのです。近年では、腸内細菌の活性化がうつ病の改善に好影響を与えるという研究報告もあります。

*腸活に関してもっと知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。

関連記事:「腸内環境を改善して健康に 誰でもすぐに始められる方法をご紹介

今日から運動を始めよう、五つのカンタン腸活エクササイズ

 腸活のための運動は、アスリートのようなトレーニングではなく、軽いエクササイズで十分です。すぐに始められる簡単なものなので、さっそくチャレンジしてください。毎日続けることで、おなかの調子がよくなるのを実感できるでしょう。ここでは五つの腸活エクササイズについて説明します。

1.ウォーキング

 腸活に効果が高いといわれているウォーキングをしましょう。
 ウォーキングをする際には、1日9,000歩以上歩くことが望ましいです。しっかり足を動かして長い距離を歩くことで、便を押し出す役割を担う腸腰筋が鍛えられます。腸腰筋に刺激を与える歩き方のコツは、できるだけ大股で、ひざをあまり曲げずに歩くことです。
 ただ歩き続けるだけでなく、階段の上り下りなどを取り入れて負荷を加えると効果がアップします。

2.足上げエクササイズ

 足上げエクササイズは、「椅子に座ったまま足を上げる」だけ。運動が苦手な人やひざなどに痛みがある人、普段デスクワークが多く運動不足が気になっている人でも、手軽に毎日続けられる運動です。

足上げエクササイズ
足上げエクササイズ

 片方ずつ足を上げる、椅子に座ったまま足踏みをするなど、いくつかのバリエーションを組み合わせて構成すると効果的です。ひとつの動きにつき、10回程度を目安にしてください。大切なのは、常におなかの筋肉を意識しつつ、背筋を伸ばして行うこと、ひざの角度を90度に保つことです。正しい姿勢を保ちながら丁寧に足を動かすことで、腸腰筋が的確に鍛えられます。

3.ひねり&伸ばしエクササイズ

 おなかをひねったり伸ばしたりするエクササイズは、おなか周り全体に適度な刺激を入れ、血流を向上させることで代謝がアップします。さらに腹筋と背筋を鍛えることにもなり、真っすぐな正しい姿勢が保ちやすくなります。

ひねり&伸ばしエクササイズ
ひねりエクササイズ
ひねり&伸ばしエクササイズ
伸ばしエクササイズ

 1)椅子に座り、脚を組みます。そのまま腰から上全体を片側にひねり、静止したまま深呼吸します。身体を正面に戻し、足を組み替え、今度は反対側にひねります。

 2)次に、正面を向いた状態で片手をまっすぐ上に挙げ、手を下ろしている側にゆっくりと上半身を倒します。倒したまま数秒間キープしたら最初の体勢に戻り、反対側にも倒します。

4.自律神経ストレッチ

 腸に刺激を与えながら、腸内活動をサポートする筋力を鍛える方法のひとつに、自律神経ストレッチがあります。自律神経ストレッチは体に過度な負担をかけず、意図した部位に適切な刺激を与えることができます。ここでは、腸活に役立つ二つのバリエーションをご紹介します。

自律神経ストレッチ
腸の蠕動(ぜんどう)運動を
活性化するエクササイズ
自律神経ストレッチ
腸管を刺激するエクササイズ

1)腸を刺激し、便秘を解消するエクササイズ

 大腸を刺激し、腸の蠕動(ぜんどう)運動を活性化するエクササイズです。右手を右腰の上、左手を左肋骨(ろっこつ)の下に置いた状態で、腰をぐるりと時計回りに回転させます。「1、2、3、4」と4拍で1周。この動きを8回繰り返します。次に手を入れ替え、左手を左腰の上、右手を右肋骨(ろっこつ)の下に置きます。先ほどとは逆方向に、腰を8回、回転させます。

2)腸管の運動を活性化するエクササイズ

 おなか回りのインナーマッスルを鍛えながら、腸管を刺激するエクササイズです。まず、おなかの上部の両脇をつかみ、背中側から前側に絞り込みながら前屈します。前屈しながら息を強く吐きます。これを8回繰り返します。次におなかの中程をつかんで同様の動きを。最後におなかの下部をつかんで、さらに同じ動きを繰り返します。

5.ヨガ

 簡単に実践できて、腸活に効果的なヨガのポーズを、二つご紹介します。

ヨガ
三日月のポーズ
ヨガ
赤ちゃんのポーズ

1)三日月のポーズ

 三日月のポーズは両手を頭上に上げ、片足を大きく前へ踏み出しひざを曲げます。足を踏み出したポーズを維持したまま、ゆっくりと深呼吸を5セット行いましょう。

2)赤ちゃんのポーズ

 赤ちゃんのポーズは仰向けに寝てひざを抱えます。深呼吸を5セット繰り返しましょう。

運動以外の腸活に効果的な方法は?

 ここでは、運動するよりも簡単にできる腸活の方法をご紹介します。

朝にコップ一杯の水を飲む

 朝起きたら、コップ一杯の水を飲む。これも立派な腸活の手段です。コップ一杯分の水が直腸を刺激してスムーズな排便を促します。

乳酸菌やビフィズス菌が含まれる食材を食べる

 ヨーグルトやチーズ、納豆、キムチなど体によい影響を与える、乳酸菌やビフィズス菌が含まれる食材を積極的に食べることも腸活になります。善玉菌の割合が高まり、腸内環境がよくなります。食事によって取り込んだ菌は、腸内にずっととどまることができないので、継続して食べるようにしましょう。

食物繊維を摂取する

 善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維を含む食材をとるようにしましょう。オリゴ糖は、たまねぎ、大豆、アスパラガスなどに含まれています。また、食物繊維を多く含む食材には、キノコ類、ゴボウなどがあります。

*腸活にオススメの食事について、詳しくはこちらの記事をご確認ください。

関連記事:「医学博士が勧める腸活食材20選

「腸マッサージ」をする

 誰でも簡単にできる「腸マッサージ」で、腸を活性化してみましょう。おなかをマッサージすることで、動きが鈍った腸が刺激され、動きがよくなります。
やり方は簡単です。手のひらをつかって、腸の四隅に当たる部分をもみほぐします。1回あたり3分程度が目安。食後1時間は避けましょう。妊婦や出産して間もない方、胆石や腎臓結石がある方(疑いのある方)など、腸マッサージを避けたほうがよい人もいるので、実際にやるときはよく調べてから行ってください。気になることがあるときは、主治医の先生に相談してみましょう。

*腸マッサージについて、詳しくはこちらの記事をご確認ください。

関連記事:「腸マッサージは便秘や中年太りにおすすめメタボなおなかもスッキリ解消!

深呼吸をする

 深呼吸にはリラックス効果があります。リラックスして副交感神経が優位になると、腸の活動が活発になります。湯上がりや寝る前など、リラックスしやすい時間帯に行うとより効果的です。特に寝る前に行うと、睡眠中に腸の活動が活性化され、翌朝の便通に好影響を与えるという利点もあります。

腸活のために運動を継続しよう

 今回ご紹介したエクササイズをすることで、腸内環境が改善され、便の悩みの解消や、風邪やアレルギーの予防にもつながります。
 ここで大切なのは、このような運動をできるだけ毎日続けていくということです。三日坊主にならないためのコツは、一度にたくさんやるのではなく、面倒だと思わないくらい簡単な運動を短時間することです。
 腸活のための運動を継続して、元気にすごしましょう。

(取材・文 山口 尚孝)

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  • 小林弘幸
  • 小林 弘幸(こばやし・ひろゆき)

    順天堂大学医学部総合診療科学講座・病院管理学研究室教授

    各種研究の中で自律神経系バランスの重要性を痛感し、数多くのトップアスリートや文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。著書に『なぜ「これ」は健康にいいのか?』サンマーク出版、『医者が考案した「長生きみそ汁」』アスコムなど。

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