要介護になるリスクが2倍以上?!「オーラルフレイル」とは

東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長 平野浩彦さんインタビュー

2020.03.27

 むせる、食べこぼす、かたい物が食べられない、滑舌が悪いといった「ささいな口の衰え」。オーラルフレイルと呼ばれるこうした症状を放置しておくと、要介護になったり亡くなったりするリスクが大きく上昇するそうです。東京都健康長寿医療センター歯科口腔(こうくう)外科部長の平野浩彦さんに話をききました。

東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長・平野浩彦さん

 オーラルフレイルとは、口のフレイル。むせる、食べこぼす、かたい物が食べられない、滑舌が悪いといった口の機能低下を指します。放置すると、食が細くなって筋力が落ちたり、話しにくいからと閉じこもりがちになったりして、健康寿命を左右することにもなるのです。

 東大との共同研究で65歳以上の高齢者を追跡調査した結果、オーラルフレイルのある人はない人より、要介護になったり亡くなったりするリスクが2倍以上も高いことが分かりました。

口腔機能の低下への悪循環
出典:歯科診療所におけるオーラルフレイル対応マニュアル2019年版(日本歯科医師会) 作図:平野浩彦先生

 オーラルフレイルの予防、改善方法は色々あります。大きく口を開けて「あー」などと発声する訓練で口の筋肉を鍛え、のみ込む力をつける。舌や唇をうまく使わないと難しい「パ」「タ」「カ」などの発音を繰り返すトレーニング。また、ブクブクやゴロゴロうがいなど、日常の何げない所作も、口の機能のトレーニングとして効果があります。

 食事も大切。食べにくいからとかたい食材を避けていると気が付かないうちに、栄養摂取のバランスが崩れるリスクが高まります。

 オーラルフレイルにおいて口の機能低下が進む段階に「口腔機能低下症」という病名がつきました。保険適用にもなって、歯科医で検査を受けられるようになっています。口の衰えは軽視せず、ケアを続けてください。(談)

  • 平野浩彦
  • 平野 浩彦(ひらの・ひろひこ)

    東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長

    医学博士、歯科医師。1990年日本大学松戸歯学部卒業。東京都老人医療センター(現・東京都健康長寿医療センター)歯科口腔外科研修医、国立東京第二病院(現・国立病院機構東京医療センター)口腔外科研修医を経て、1992年東京都老人医療センター歯科口腔外科主事、2002年同センター医長、2009年東京都健康長寿医療センター研究所専門副部長。2016年より現職。

関連記事

おすすめ記事

PAGE TOP