冷蔵庫内、カラフルですか? 和洋中「合わせ技」でバランスアップ

コロナに負けない献立づくり(中) 買い置きのコツ、メニューの工夫

2020.05.20

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されても、コロナと向き合う日々は続きます。外出の手控えや在宅勤務のなか、家での食事にバランスよくメリハリをつけるには、どうしたらいいか。「コロナと闘う管理栄養士の食事」をブログで公開中の足立香代子さんに聞きました。

コロナに負けない献立づくり
色の濃い緑黄色野菜や果物、食物繊維が豊富なキノコ、たんぱく質と油がとれるサバ缶・イワシ缶があれば、栄養バランスのよい食事ができます

 感染者数の減少で、外出自粛は徐々に緩和されているとはいえ、混雑したお店での買い物は、なるべく避けたいところです。一方、体調管理のうえで気をつけたいのは、たんぱく質をしっかりとること、カラフルな野菜・果物を食べること。食材の買い出しは、このふたつを念頭に置くことが大切です。

買い出し前に、まず冷蔵庫チェックを

 まとめ買いのコツとして、足立さんはまず、出かける前の冷蔵庫チェックを勧めます。ポイントは「冷蔵庫の中をカラフルに保つこと」です。「赤や緑、黄色といった、色の濃い緑黄色野菜や果物があったかどうか、冷蔵庫の中を思い浮かべながら、足りない色をおぎないましょう」

 ホウレン草のような傷みやすい葉物野菜は、少し味が落ちますが、ゆでて冷凍保存することもできます。「冷凍保存の習慣がつけば、献立の幅が広がります。市販の冷凍カット野菜を冷凍庫にストックしておいてもいい。買い物に行けないときに助かります」が、もうひとつのアドバイスです。「比較的、保存がきくキノコ類のなかで、ビタミンDが豊富なマイタケは、たくさんとりたいけれど、あまりもたない。私は炒めてから冷凍するようにしています」

サバ缶、イワシ缶で、たんぱく質と油を追加

 筋肉を落とさないために大切なたんぱく質は、肉や魚、卵、大豆など、いろいろな食材からとるように気をくばります。「この際、魚は、これまで以上にとりたいところです」と足立さん。買い置き食材でとくに重宝するのが、サバやイワシ、サンマなどの水煮缶です。1缶が100~200円で手に入り、汁ごと使えば、EPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)など、N-3系脂肪酸を無駄なくとることができます。

コロナに負けない献立づくり
「レトルトカレ-、手抜きでもバランスアップの夕食」。カレーにポーチドエッグ、さらにサバ缶とスライスたまねぎの大葉のポン酢かけ、緑黄色野菜のサラダなどを加え、たんぱく質は約25グラム

 足立さんが立ち上げた「コロナと闘う管理栄養士の食事公開」でも、魚の缶詰をつかった様々な献立を紹介しています。たとえば「免疫力に負けないサバ缶の格安!アレンジ朝食」は、サバのみそ煮に焼き野菜などを加えた簡単メニュー。「レトルトカレー、手抜きでもバランスアップの夕食」は、サバ缶をスライス玉ねぎとあえるなどして、不足するたんぱく質をおぎないます。

和洋中の組み合わせで、栄養バランス

 バランスよく食材を買い置きできたら、次は、献立の組み立て方です。忙しくしていると、つい単調なメニューになりがちです。どうやったら栄養バランスがよく、バラエティーも豊かにできるのか。お勧めは「和洋中の自在な組み合わせ」です。

 まず主菜をどうするか。和食と洋食、中華のメニューを思い浮かべると、バラエティーをもたせるヒントが見つかります。たとえばアジ。和食なら塩焼き、洋食ならオリーブオイルやバターでソテー、油で揚げれば中華風の南蛮漬けなどに仕立てられます。「炒めものというと、すぐ肉と野菜となるけれど、中華料理では魚も炒めものによくつかいます。そんな調理法をイメージすることで発想の幅が広がるわけです」

 同じ食事のなかで、和洋中を上手に組み合わせると、栄養バランスの向上にもつながります。「たとえば和食で献立を統一すると、魚の塩焼きにホウレン草のおひたしとなりがちですが、これだとシニアには、さっぱりしすぎて油が不足してしまいます」と足立さん。「塩焼きには、むしろ中華のような油炒めやオリーブオイルをつかった洋風サラダを組み合わせたほうがいい。栄養のバランスがとりやすくなります」

 新型コロナウイルスで外出自粛が続くなか、足立さんがもうひとつ心掛けていたのが、散歩を兼ねて少し離れたスーパーや青果店に足をのばしてみることでした。家のすぐ近くに大きなスーパーがあり、そこで事が足りるのですが、あえて10分、15分歩いて、いつもと違うお店にいってみたそうです。「そうすると、いつもと違う食材が目につくんです。同じお店だとワンパターンになりがちな買い物や献立に、楽しみながら、ちょっとした変化をつけることができます」

足立香代子さんのブログ「コロナと闘う管理栄養士の食事公開」https://eiyoushokuji.blogspot.com/

(取材・文 田中 郁也)

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  • 足立香代子
  • 足立 香代子(あだち・かよこ)

    一般社団法人臨床栄養実践協会理事長

    中京短期大学家政科食物栄養専攻卒業後、医療法人病院を経て、せんぽ東京高輪病院に勤務し、現職。医療現場で過剰栄養に対する栄養指導や入院患者への栄養管理を実践し続ける一方、栄養からみた検査値の読み方・評価、対面指導技術をはじめ、食事に経腸栄養、静脈栄養を含めたトータルコーディネートができる人材育成に従事。著書に「ズルい食べ方ー人生を守る『足し算食べ』BEST100」(ワニブックス)ほか多数。

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